Z77にSandyBridgeを載せたBTOパソコンの意味

2012年4月17日

Z77チップセットが4月8日0時に解禁され発売。

対応CPUのIvyBridge発売は4月29日0時の予定と噂されており、現在はZ77のマザーボードにSandyBridgeが搭載されて販売中。これに何の意味が有るのかというお便りを頂戴したので、PC初心者用に解説。

複雑になるので今回はインテル7シリーズでもZ77のみ。

インテル Z77 Express と SandyBridge の関係

Z77とはチップセットの名前、チップセットはマザーボードに直接搭載されており、CPUなどと連携して処理をするメイン基板の中枢。

量産系BTOメーカーの仕様に書かれるマザーボードの項目はチップセット名になっている事が多く、単純にマザーボードの性能や機能の一部を表しております。

チップセットとCPUの組合せの種類を4例挙げると

  • X58(LGA1366)・・Core i7 900番台
  • P55(LGA1156)・・Core i3/i5/i7 3桁(9xx除く)
  • X79(LGA2011)・・Core i7 3900番台
  • H67(LGA1155)・・Core i3/i5/i7 2000番台<SandyBridge

青にしたLGAはピン数(CPU側は面数)を表しており、チップセットとCPUの組合せが違えば動作せず、LGA数と同時に対応CPUの大きさも変わるので物理的にも搭載されるCPUが制限される仕組。

SandyBridge(サンディーブリッジ)やIvyBridge(アイヴィーブリッジ)は開発コードネーム、というとややこしいので、グループ名と思ってよろしいかと。

今回のZ77を追加すると

  • Z77(LGA1155)・・Core i3/i5/i7 3000番台(39xx除く)<IvyBridge

チップセットがインテル7シリーズになり、昨年までの話ではIvyBridge用でSandyBridgeとは互換性無し。しかしLGA数はSandyBridgeと同じ。フタを開けるとSandyBridgeも動作するという現状。

4月8日に発売されたインテル7シリーズ(Z77も含まれる)のマザーボードは、IvyBridgeに対応する物も有るとされており、互換性の有無には注意が必要となっております。

BTOパソコン含む完成品PCで改造しないなら問題無いけれど、CPUを載せ換える前提や自作PCユーザは気を付けましょう。

 

SandyBridgeでは制限されるZ77チップセットの特徴

一応、IvyBridge用なZ77では、インテル6シリーズまでとは違う新しい機能や性能が追加されており、主に以下の5つくらい。

  1. DDR3メモリ、PC3-12800まで対応
  2. PCI-Express 3.0(Gen3)にも対応
  3. USB3.0がチップセット(ネイティブ)で対応
  4. CPU内蔵GPUでも3画面出力可能
  5. ThunderBoltに対応する準備有り

何の事か解らないかも知れないので簡単にすると

  1. インテル6シリーズより1ランク高速なメモリに対応
  2. 新世代グラフィックボードに対応し高速化が可能
  3. USB3.0をインテルがチップセットで対応した
  4. マザーがDisplayPortx2ならグラボ無しで可
  5. 今はMacだけの高速転送規格も将来対応

若干詳しく書くと

1.インテル6シリーズまででもPC3-12800対応は有ったけれどマザーボード次第。普通は(オーバークロックなどしなければ)PC3-10600まで。インテル7シリーズからは普通に対応。

2.PCI-Express3.0対応のグラボは、2012年4月現在では高性能グラボで数種類しか出ておらず、まだこれからの話。

3.USB3.0はインテル6シリーズでも有ったけれど、NECなどのチップやドライバなどで対応しており、今回からインテルがチップセットに内蔵。

4.マザーボードに例としてHDMIx1、DisplayPortx2が有るならグラボ増設無しで3画面出力が可能に。4月現在、DisplayPortx2搭載マザーは出ていないのでやはりこれから。

5.アップルとインテルが共同で開発したUSB3.0より高速かつ将来的にデータ転送以外にも利用出来るサンダーボルトという規格。

少しでも性能向上を求めるゲーマーやマニアには楽しめる内容なものの、一般ユーザには恩恵が少なく微妙。

更にZ77にSandyBridgeを載せると制限され、

  1. PC3-12800を載せても10600に落ちる
  2. PCI-Express 3.0(Gen3)で動作しない
  3. USB3.0がネイティブになっても判らない
  4. 3画面用マザーボードがまだ出ていない
  5. Windows PC用ThunderBolt採用は年内予定

要するに、Core i7 2600などのSandyBridgeグループのCPUをZ68に載せてもZ77に載せようとも変わらない、または判らない状態。

 

Z77搭載PCをBTOメーカーが続々と発売する理由

上でZ77にしても変わらず体感不能としておりますが、ここぞとばかりにBTOメーカーがZ77を採用したとニュースリリース祭りを開催。

各社のリリースを見ると、当然ながらZ77の特徴にはほぼ触れておらず、最新とかコストパフォーマンスに優れるなど当たり障りない作文で、主にグラボやCPUについて強調。

上で書いた通りSandyBridgeを載せてもZ77の意味はほぼ無いけれど、なぜBTOメーカーが宣伝しているのか3つ推測すると。

新製品を載せる以外の宣伝材料が無い為

今回に限らず、BTOパソコンはNECや富士通のように用途の提案が難しいので新パーツが出た時くらいしか宣伝するタイミングが無く、競合他社がリリースを撒く対抗も有り苦し紛れで新発売。

新しい物好きを狙っているのかも知れないけれど、私程度の知識が有れば意味が無い事は分かるので、Z68より安くなければどうでも良いレベル。実際、Z68搭載機種より若干高いので飛び付かない方が良いでしょう。

インテル6~の在庫を早く処分しIvy対応準備

IvyBridgeはSandyBridgeと比較しCPU内蔵GPU(インテルHDグラフィックス)部分が特に強化されたらしく、今後Sandy~を選ぶ理由は特に無し。単純にPCパーツは新しい物の方が良いとされる為、H67やZ68などを今後仕入れたくないと推測。

Z77などインテル7シリーズを今から入れておけばSandyBridgeに対応し、月末から出るIvyBridgeの準備も可能。マウスやドスパラ、PC工房などOEMで大量に仕入れるメーカーも有ると思われ、多少価格が上がれど大人買いでカバーするのでしょう。

マザーボードの種類を絞った仕入れと在庫調整

在庫数、Z68が5千枚とZ77が3千枚有るより、Z77が8千枚の方が製造や輸送費の面で割安になり、置き換えて行くは普通の考え方。Z以外にPやHなども有るので、無駄に種類を2倍にする意味は特に無し。

インテル7シリーズの方が後々高機能になるという事は、経年による在庫価値の劣化も少なく安心。修理用パーツとしても上位互換と考えるなら、過去のインテル6シリーズのマザーを7へ置き換える手も有りかと。

というわけで、メーカー都合でZ77が載り宣伝していると思われます。

 

Z77にSandyBridgeを載せたBTOパソコンの意味まとめ

BTOパソコンでZ77+Sandy~は意味が無く、その理由は2つ。

  • マザーボードが新CPU(IvyBridge)対応か判らない場合が多い
  • CPUやグラボを載せ替える前提なら、自作PCにした方が安心

現在出ている物は、LGA1155のインテル7シリーズでも必ずIvyBridge対応とは限らず、BTOメーカーは改造のサポートしてないので聞いても教えてくれないでしょう。どうしても今から7シリーズを使いたいなら初めから自作が安全。

今、7シリーズを購入しているユーザは

  • とにかく新しい物が早く欲しいというオタク
  • SandyBridgeが余っており載せてみたいマニア
  • CPU発売まで部屋に飾り鑑賞用にしている変態

IvyBridgeが出ない事には始まらず、出て載せても現状ではゲームやエンコードなど日常的にやっているようなヘビーユーザで無ければ価値は薄め。

今後は自然にインテル7シリーズへと置き換わって行き、IvyBridgeのCore i3まで出揃うという噂の6~7月頃には半数以上が新CPUと7シリーズになっているでしょう。

私がPCを買い替えるなら、ボーナス商戦前後に叩き売られると思うSandyBridgeと6シリーズの組合せを狙うでしょうな。

マザーは発売済、CPUが月末予定とは言え詳細や実測の情報がまだ少ない為、ハードウェアいじりが趣味で無ければ、今回の7シリーズ発売は見なかった事にして良いレベル。

CPUの価格はこちら。

ivybridge-price-list.jpg

source:Intel cuts desktop Ivy Bridge CPU pricing ahead of launch by VR-Zone.com

New Price は値下げ。日本での実売は1ドル100円換算くらいになると予想。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

マウスコンピューター

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

パソコン工房と同様に機種が多くノートの取扱も有りゲーム用やクリエイター向けPCも有り。送料が比較的高額なので総額注意。知名度は国内トップクラス。

ドスパラ

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ☆☆

部品選: ★★★☆☆

デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆

部品選: ☆☆☆☆

2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

日本HP

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安保証: ★★

部品選: ☆☆☆☆

高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

TSUKUMO

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★

部品選: ★★☆☆☆

ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

FRONTIER

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ☆☆☆

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆☆

部品選: ★★☆☆☆

2013年7月に(株)KOUZIROが倒産しヤマダ電機子会社インバースネットが続投。長期保証が消滅。これと言った特徴が無く難点は有れど利点が見当たらない。

サイコム

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★★

部品選: ★★★★★

自作しない中~上級者のPCユーザ向け。初心者にはカスタマイズが難しく動かない構成でも購入できるので注意。パーツへのこだわりや知識が有るなら。

※並びはBTOメーカーの知名度の順。大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

データ復旧のIUECを勝手に評価
あなたの街の~を勝手に評価
ESETセキュリティを勝手に評価

お知らせ


Windows 7サポート終了は2020年1月14日

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ヒツジ先輩

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BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。