メーカーにより違うパソコンの製造と生産工程の内訳

2017年6月 8日

PCメーカー全体なのでノートPCの話で。

日本HPならば東京生産、VAIOは安曇野フィニッシュ、富士通はシマネ出雲モデル、NECが米沢品質などと国内生産を謳っているもののどこまで日本で製造しているのかはメーカーにより割と違う。

情報が古い箇所もあるのでおおよそで。

メーカーにより違うパソコンの製造と生産工程の内訳

国内でPC販売しているメーカーならば、製造と生産の違いは主に3種類。

ベアボーンを仕入れて組立(BTO、旧ソニー、VAIOほぼ、おそらくNECも)

ベアボーンとはこちら。

ベアボーンキット(Barebone kit)とは、パソコンの組み立てキットの一種。HDDやメモリなど一部の部品を取り付けることで完成する。ベアボーンとも呼ばれる。

source:ベアボーンキット - Wikipedia

ノートPCの場合は基本HDDなし、ソケット方式ならばCPUとかメモリが外された状態の半完成品の事で、CPUなどを抜きにした状態で大量に中国などから仕入れる方法。

利点はCPU、メモリ、HDDを換装可能なのでカスタマイズ可能かつ修理交換も簡単。ベアボーン部分の仕様は全く同じなので大量生産によりコスパ良好。

難点はHDDなど外せるパーツ以外、例として液晶パネルやマザーボードが故障した際、分解不可の契約ならベアボーン交換になり超高額化。パーツ交換可能だとしても作業が複雑な上にパーツ単品は割高なのでやはり修理代が高額化。

具体例としては11年も前の製品だけれども、このような感じ。ノート底面。

barebone-aopen-laptop

メモリのソケット2つとHDDが入っておりません。

なぜ11年も前の製品を例にするかは、現在はノートのベアとか流行らない。なぜ流行らなくなったかは、数が売れない=高額化=誰も買わない、の流れで廃れて行ったのでしょう。

昔は完成品のノートが高額、または性能が低かったので自作する人も居たところ、今は数万円出せばそこそこ高性能なので手間な割に安くはならず、だいたいCPU単体での新品販売が無い。

PCメーカーはCPU、HDD、メモリなどをインテルの代理店とかWestern Digitalから直接大人買いし、ベアボーンは世界規模で有名なCLEVO、Quanta、ECSというメーカーからコンテナに詰めて海上輸送。

私の知る限りでは昔ソニーのVAIOがQuantaのベア、今はパソコン工房のノートはCLEVOばかり。ソニーはケース部分の設計をカスタムするので高い、パソコン工房などはカタログから発注するので安い感じ。

現VAIO社はZ以外は中国。

安曇野工場を見学。中国生産のノートPCもストレージやOSは日本で導入(中略)最も製造難度の高いVAIO Zのマザーボードは,安曇野工場で製造しているという。

source:VAIO設立2周年記念のプレスツアーで安曇野本社工場を見学 - Yahoo!ゲーム

現在のNECはLenovoが中国でベア作っているのだと思う。

他の工場見学記事でもマザーボードから製造している様子は無し。昔は知らない。Assembledの意味は組立であり、メイドインでも製造でも無し。

「Assembled in Japan」が刻印されたステッカーが貼られ、外箱にも「米沢生産」のロゴが貼られる。

また、以前はサイコムがMSIのノートPC、今は小型PCを販売している、これらもベアボーンの可能性がございます。しかしMSIは完成品を持っているので、ベアでは無い可能性も。

基板から製造して組立て(富士通、パナソニック)

富士通とパナソニックはPC変態には有名な話だと思う。

さすがにスマホやタブレットは海外だろうと思っており驚いたので2つに。上が島根富士通のパソコン、下は液晶モニタも兵庫で基板から製造しているそうな。

パナソニックは神戸でやはり基板から。

パナソニック神戸工場

source:比嘉愛未さんの神戸工場見学 | パソコン(個人向け) | Panasonic

富士通がなぜ国内で製造しているかは知らないけれど、島根な理由は人件費と土地建物が安いからでしょうな。

パナソニックのレッツは価格高くても買う人は買うだろうとして、人件費とか無視なのか。レッツの場合は、中身の空間を詰める設計以外、筐体部分の強度を上げなければレッツと言えないので全部国内生産になるのでしょう。

海外で製造して日本へ出荷(DELL、Apple、東芝)

DELLの日本への販売は中国の福建省に拠点あり。

世界中全てのDELL製品がここで製造されているわけでは無く、ヨーロッパならばアイルランドのように複数の工場が存在する模様。

DELLは今でも以前本で読んだ通りならば、他のPCメーカーとは少々違う製造工程となっております。分かり難いけれど図があったので拝借。

Virtual_Integration

source:Dell - デルコンピュータ日本サイト オンライン・プレスルーム

DELLが顧客から発注を受けると、工場へ製造を連絡。そこへBTOや国内大手のようにCPUなどの在庫があるわけでは無く、インテルの代理店などがDELLの工場を中心に建てられており、受注があった分だけを仕入れるという方法。

なぜそうするかは先に受注分の決済があり、在庫と支払いを後回しにする事で在庫金額やフリーキャッシュフローを有利にする為。最近は家電量販店で在庫販売しているので例外はありそうなものの、中国で製造し組立後に出荷が基本。

Appleは公開しないので真偽不明な部分もあるけれど、時々流れる情報によると中国のFoxconnで基板を製造し、国内のシャープから液晶パネルを買うなど聞いております。

私がMac mini購入した際は中国から1日で空輸されて来た。

そして東芝。

私は今まで勘違いしておりました。VAIOと富士通との三社で行く件は破談になったところまでは合っているけれど、中国の工場は撤退していないらしい。

報道にあるような杭州工場を売却し、生産から全面撤退する方向で調整している事実は一切ない

source:パソコン工場の売却、生産撤退を検討している事実はない=東芝 | ロイター

というわけで、東芝も中国で製造して国内へ。

予想:日本HPは海外拠点で製造し国内で組立?

おそらくだけれども、中国などで製造した物を国内、東京の昭島工場へ運び組立てしているのだと思われる、その記事がこちら。

生産ラインの工程は、次のようになる。

アッセンブリー(組立)> プリテスト(初期動作試験)>(略)

source:『東京生産(MADE IN TOKYO)』昭島工場見学プログラムに潜入 | 日本HP

それがどうしたという話でもある。

 

パソコンの場合は中身の部品はどこもそう変わらない

昔、電気屋の友人から洗濯機は日立が良いと聞いた事があり、選び方解らないのでそうしている理由は、洗濯槽を回すモーターに違いがあるらしく、扇風機のような回転する機器も日立がおすすめとの事。

ではパソコンはどうなのかと言えば、確かに基板から製造している富士通と、台湾から仕入れているメーカーでは何か違いがあるのかも知れないものの、搭載しているコンデンサなどのパーツがどうなのかまではまちまち。

例として私のデスクトップPCの基板。

z97-nichicon

source:ASRock > Z97 Extreme6
参考:ニチコン株式会社 | ホーム

おそらく中身見えないノートPCでここまで気を遣うとは思えずコスト優先ならば、いくら国産していようとも上の台湾製マザーボードほどの耐久性は無いかも知れない、あるかも知れないけれど。

日本製の電源はクソ高いので採用しているPCは滅多に無く、バッテリにソニーとか書かれていてもメイドインは普通チャイナ。

CPUは2種類のメーカー、メモリも今やチップは主に3~4種類、ハードディスクも3種類のメーカーしか選択肢は無く、私に言わせるとSeagateならハズレ、WDは普通、東芝はうるさい、どれが採用されているかはノートを購入してみるまで不明。

中国人が組立てたノートPCと私が組立てた自作PC、どちらの品質が高いかは愚問であり誰が構成しようと関係無し。ニチコンならマザーボードの寿命長いかといえば他の箇所が故障するやも知れず。

大手メーカーのPCが高額な原因は高級時計と同じで宣伝広告費が高いから、Apple製品が高価な理由は原価率が低いから、BTOパソコンが安く見えるのは宣伝や人件費などが大手より安く利益率の設定が低いから。

昔ほど安い=品質が悪い、というクソ記事は見なくなったものの、今でも時々Yahoo知恵袋などで暴れるクレーマーがいるものの華麗なるスルーにて。

以上。安曇野や米沢や東京生産はメーカーの自己満足と思いましょう。私ら買う側や使う側にはどこで誰がパーツ組もうと無関係な感じ。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

コメント(1)

>ノートのベア
買おうと思ったこともありませんでした。デスクトップ向けのベアボーンキットも、人気がありませんでしたね。いつ頃に最盛期をむかえていたのか分からないまま、廃れていった印象が強いです。

>安曇野工場
あづみのって何処にあったっけ、と思ったら長野県ですか。そういえばわさび農場へ行ったことがありました。わさびジュースがすこぶるマズかった記憶が。

ASCII.jp:新「VAIO Z」「VAIO S11」も追加! 安曇野市ふるさと納税
http://ascii.jp/elem/000/001/143/1143777/

>DELL
注文してから手元に届きくまで、時間がかかることで有名。少しでも検索して製造工程を調べれば、それが当たり前なことはすぐに分かることでも有名。

>どこで誰がパーツ組もうと無関係な感じ。
修理にはそれなりの経験と技術が生きる場面もありますが、組み立ては10年だろうと20年だろうと、経験を積んでもそれが品質に影響することは無いですね。修理のプロフェッショナルは居ても、組み立てのプロフェッショナルは自称を除いて居ないでしょうから、素人で無ければ良かろうな印象。

コメントする ※要ユーザ登録&ログイン

BTOパソコンメーカー比較

マウスコンピューター

高性能: ★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★★

初心者: ★★★★★

令和時代の鉄板スタンダードなPC初心者向けメーカー。標準構成のバランス感覚が突出しており、私でさえケチを付けることが滅多にできない。性能の下から上まで幅広く実用的。

パソコン工房

高性能: ★★★★ 保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安定: ★★

初心者: ★★★★

性能とパーツの相場がある程度わかる人なら標準構成が多いのでコスパ重視で選びやすい。同じに見える同じ価格でも仕様の違いがどうなのか判る人には最適。

ドスパラ

高性能: ★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★★

昔はドスパラ=BTOだったけれど最近は普通のパソコンに力を入れておらず、2018-2019年の偽インテルチップ中華SSDの件が未解決なので信用問題的に何とも言えない。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

10年以上前まではDELL=初心者向けの安いパソコン、それはもう通用しておりません。クーポン適用後が適正価格だと見抜けるパソコン詳しい人向け、または大人買いで割安になる法人向け。

日本HP

高性能: ★★★☆☆ 保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★

初心者: ★★★☆☆

コスパと性能以外にも見た目も重視したいならHPのノートも選択肢としてアリ。自社製造状態なのでBTO=ダサい印象は払拭されるかと。デスクトップは法人用、ゲーミングは海外向け。

TSUKUMO

高性能: ★★★★★ 保証: ☆☆

コスパ: ★★★★ 安定: ☆☆

初心者: ☆☆☆☆

昔のマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。機種が少なく特徴的な少数精鋭状態なので選べる人を選ぶが、それにしても選びにくい。

FRONTIER

高性能: ★★☆☆☆ 保証: ☆☆☆

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ☆☆☆

初心者: ★★★☆☆

フロンティア神代の解散後、現所長のパワハラがひどいとタレコミが複数あり、私から内情を運営会社へ伝えると逆ギレされて私を訴えるぞと謎すぎる返しがあり困惑中。

サイコム

高性能: ★★★★★ 保証: ★★★

コスパ: ★★★☆☆ 安定: ★★★

初心者: ☆☆☆☆☆

PC自作しない中~上級者向け、昔ながらの2chおっさん御用達な鉄板メーカー。動かない構成でも購入できるので初心者にはおすすめ不能。量産系BTOのようにコスパ悪くならないのでサイコムだけは自由なカスタマイズを激しくおすすめ。

※並びはBTOメーカーの知名度の順(暫定)で、大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

データ復旧のIUECを勝手に評価
あなたの街の~を勝手に評価
格安SIMなb-mobileを勝手に評価
格安SIMなLinksMateを勝手に評価

カテゴリと更新通知

プロフィール

ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。