オンキヨーが意味不明なベアボーン販売を開始

2012年7月13日

7月12日にONKYOが新しい試み。

正確にはその子会社、オンキヨーデジタルソリューションズがデスクトップのベアボーンを7月12日に発売。価格はベアらしく完成品より安く、量産系BTOでも自作代行でも無い半自作PCと言える形式。

売れるわけが無いと思うので、適当に見て参りましょう。

オンキヨーのベアボーン「DT6201-BB」は約2.5万円

ITmediaのリリース記事が簡潔で分かり易い。

オンキヨー、2万4800円のミニタワー型ベアボーンキット発売-ITmedia
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1207/12/news048.html

DT6201-BB.jpg

どう見ても普通のミニタワーPC。しかし中身がほぼ空。

いつもの形式で仕様を書き出すと

  • OS:無し
  • CPU:無し
  • マザー:インテル H67 Express チップセット搭載(MicroATX)
  • グラフィック:無し
  • メモリ:無し(空きスロットx4、最大16GB)
  • 光学ドライブ:無し
  • その他:USB2.0x6、USB3.0x2、1000BASE-T対応 など
  • ケース:ミニタワー
  • 電源:500W

ケースの中には電源とマザーボードしか入っていないわけですな。

最低限、これに何を取り付けるとパソコンとして動作するかはCPUとメモリ。パソコンとして使うなら他にOSとストレージ(HDDやSSD)。グラフィックボードや光学ドライブは用途に合わせて。

その他、判る範囲での詳細も書くと

  • 拡張:PCI-Expressx16 x1、PCI-Expressx1 x3
  • 映像出力:HDMI、D-sub15pin
  • 付属品:CPUクーラー、SATAケーブルx2、電源ケーブル など

グラボは普通に1枚搭載可、地デジ用チューナもPCI-Ex1に挿せる仕様。映像出力は最近のモニタならHDMI、昔のD-sub15pinにもマザーボードで対応。

一見するとパソコンの一部が2.5万円なら安いと感じるかも知れないけれど、自作PCユーザのようにパーツ単位で見る人には信じられない程に高価、かつ有り得ない選択。

 

オンキヨーのベア「DT6201-BB」がなぜ意味不明なのか

リンクが切れると嫌なので行くならコピペにて。

ONKYO DIRECT 自作パソコン用ベアボーン
http://onkyodirect.jp/pc/barebone/

利点が無いので難点ばかりになるけれど、気付いた事をいくつか。

ベアボーン販売ページの説明が誤解を招く

販売ページより「ベアボーンとは?」の説明文。

マザーボードと電源ユニットとPCケースのセットのことです。

と決め付けておられ、Wikipediaにもそう書いてあったけれど、ベアボーンとはこれら3点セットとは限らず、ノートならCPUやメモリ、時にはストレージを含めてベアボーンになっている事も有り、説明としては不足しておりましょう。

これは私の難癖レベルなのでまだ良いとしても次。

ハードルの高い自作PCに挑戦してみたい自作PCの熟練者や、安価のPCを自作したいあなたにもお勧めです。

安価かどうかは後でやるとして、日本語が私の作文以上に崩壊しており意味が判らなくなっております。

ケースはそのまんま、電源とマザーボードはネジ数本で固定するだけ。このベアで唯一自作PCより簡単と言える箇所は、マザーボードとケースの接続(電源スイッチx1、LEDランプx2、有ればリセットx1)のみ。

自作とほぼ変わらない割により簡単と思わせる書き方は、書いている方もベアボーンが何なのか良く判っていないと思われても仕方無し。

自作PCになる割にパーツの詳細が一切不明

ベア部分以外は全て普通の自作PC組立と同じ。その割にパーツの詳細がどこにも書かれておらず、唯一の救いはケース内部の小さい写真が有るのみ。

dt6201-bb-bare.jpg

量産系BTOメーカーでは、パーツの型番どころかメーカーが変わる事が有り、詳細は書かれない事が多め。そして私は、自作で無ければ型番は無くても良い と過去の記事で何度か書いておりますが、それは完成品で改造(パーツの増設や換装)をしない前提の為。

仕様から3点のパーツを書き出すと、判る情報はこれだけ。

  • マザー:H67 Express(MicroATX)、メモリスロット4本
  • ケース:ミニタワー
  • 電源:500W

マザーボードは機能やインターフェイスの詳細が仕様ページに有るのでまだ良いとしても、ケース内のサイズが判らず、電源に関してはコネクタの種類と本数が判らない。

メーカーは無くとも型番さえ書いておけば検索で何とかなるものの、これではこのベアボーンを購入すると自作PCよりハードルが高くなりましょう。 

自作PCより狭いパーツの選択肢とノンサポート

後付けのパーツは基本的にH67に載るものなら良いと思いきや、オンキヨー推奨パーツというページが有り、CPUなどが限定。

推奨部品以外をお使いになった場合の動作保証は致しておりません。

どのような感じで推奨、言い方を変えると限定されているかは

  • OS:Win7のHome~とPro~、しかも64bit版のみ
  • CPU:Sandy Bridgeで6種類しか無い
  • HDD:500GB、1.5TB、2TBの3種類と回転数で区別
  • SSD:インテル320シリーズの80、160、300GBの3種類
  • グラフィック:CPU内蔵以外は、NVIDIAx5、AMDx2種類
  • サウンド:オンボード以外は、Auzentech製Auzen X-Fi Bravura 7.1のみ

これら以外のパーツを載せて動作しなくとも初期不良交換などとは認められないという事でしょう。そして何故オンキヨーなのに自社サウンドボードが無く他社製品なのか、これまた意味不明。

推奨パーツなら当然サポートが有るのだろと思えば無し。

サポートについて

ベアボーン製品の技術支援は、電話、メールなどの媒体に拠らず行いません。 また、有償による技術支援も、ご提供はありません。

何の為にオンキヨーでベアボーンを買うのか理解不能。 

保証は初期不良並かそれ以下の2週間限定

ノンサポートに続き、保証に関してもも凄まじい設定。

保証について

本製品の保証は、商品到着より2週間以内の不良に対する製品の交換対応、および、欠品に対する部品の送付となります。
※交換の際は本製品以外のパーツは取り外してください。

保守について

上記保証を除き、ベアボーン製品の保守(修理、交換など)のご提供はありません。 また、有償による保守も、ご提供はありません。

自作PCでいうところのジャンクに近い状態。

ジャンクは基本的に故障していても文句は言えない物なので違うけれど、メーカーPCの初期不良でも2週間から1ヶ月くらいは見てくれるので、ヤフオクの個人売買に近い保証や保守と言えましょう。

2週間を経過すると故障しても交換は不可。どのようなパーツが使われているか、特にマザーボードは市販パーツで代替えしづらい可能性が高く、更にメーカー(オンキヨー)で購入する意味が無い。

それどころか、自作パーツならバルクを除き保証は最低でも1年、長い物は平気で3年間保証してくれるので、大変マゾい福袋(または不幸箱)状態。 

パーツ単位で計算すると2.7万円は高過ぎる

約2千円盛った理由は、ベア本体24,800円+送料2,000円=26,800円なので実質2.7万円。オンキヨーポイントが248円分付くけれど、ONKYO DIRECTでリピートしなければ意味無し。更にポイントには有効期限も有るそうな。

2010年2月2日以降に付与されたポイントは、最終購入日から1年間有効

これが本題、市販パーツ単品の同等品で価格を比較。

マザーボードを価格コムで検索し安い順。

h67-matx-kakaku.jpg

source:価格.com - マザーボード スペック検索

1と5番目が同等の性能や機能。但し、PCIスロットは有れどPCI-Expressx1がいずれも2本。x1が3本必要になる環境が良く判らないけれど、10番目のMSI製が3本なのでこれにしましょうか。甘く見て約1万円。

ケースはマイクロATX、電源無しで。

chassis-matx-kakaku.jpg

source:価格.com - PCケース スペック検索

どれでも良さそうな気がするけれど、下から2番めのInWinケースは安い割に良いのでこれにしましょう。同じく甘く見て約4千円。

電源はATXの500W決め打ちで検索。

psu-atx-kakaku.jpg

私が使っている電源は最安3千円の物なのでこれで、と言いたい所では有りますが、10番目に安いサイズの物にしましょう。約6千円。

総額は約2万円。石垣島に住んでいる事にして全部送料が2千円掛かったとしても2.6万円。私が同等のベアボーンを構成するなら、上の中から適当に選び1.3万円(送料別)でまとめるでしょう。

自作より高い、保証2週間、サポート無し、詳細不明。理解して購入する人が居るなら理由を聞いてみたい。

 

どう見ても在庫処分、経費で落とすには良いか?(まとめ)

細かく書いたけれど、これはどう見ても旧CPU用旧マザー、H67の在庫処分。マザーボードの型番を書き単品で叩き売ればまだ良いものの、強引にベアボーン状態で売っているのは、ケースと電源の在庫をはかせたいのでは無く、マザーがOEM契約により単品で売れないのでしょう。ここは私の憶測。

心配なのはドライバなどの付属やダウンロード。

デバイスドライバーの提供について

BIOS・デバイスドライバーはWindows® 7 64ビット用に限り下記のURLからのダウンロードでのご提供をしております。
http://pc-support.jp.onkyo.com/info/dt6201bb/d/

無ければ掲載しなければ良いものを

  • ドライバ/BIOS
    この機種にはダウンロードできるアップデートプログラムはありません。
  • マニュアル
    ファイル ダウンロードできるマニュアルはありません。
  • 付属アプリケーションとサポート連絡先
    この製品には、付属アプリケーションのデータが用意されていません。

マザーがOEMならドライバやBIOSは待てども公開されない可能性大。構成を検証せずアップデートを公開するとトラブルの元になる為。というか、本当にOEMならBIOS単体は公開してはいけないはず。ここも憶測。

仕様一覧や推奨パーツのページにしてもBTOパソコンのページから流用し感が大有りなので、準備が不完全という事にしましょうか。発売はこれを書いている本日では有りますが。

以上、ケースとマザーと電源だけのベアは自作PCとほぼ同じ。今回に限らないけれど、オンキヨーのパソコンの売り方は何か斜め明後日を目指しているようで、ある意味上級者向けなので自称PC初心者の人はご注意有れ。

費用削減方法としても最適?(おまけ)

もう一つ突っ込みを。これは経理の人が書いているのでしょうか。

PC大量導入の際の費用削減方法としても最適です。

例として、10万円以上のPCを購入すると減価償却という落とし方になり、パソコンの場合は基本4年。

ベア約3万円をPC本体とし、パーツを細切れで購入すると10万円以上の構成が一発で経費処理出来ると言いたいのかも知れないけれど、実は私はこういう事をして良いか税務署に聞いた事が有り、その時は駄目出しを頂戴しております。

どういう意味の費用削減かは知らないけれど、法人もご注意有れ。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

マウスコンピューター

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

パソコン工房と同様に機種が多くノートの取扱も有りゲーム用やクリエイター向けPCも有り。送料が比較的高額なので総額注意。知名度は国内トップクラス。

ドスパラ

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ☆☆

部品選: ★★★☆☆

デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆

部品選: ☆☆☆☆

2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

日本HP

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安保証: ★★

部品選: ☆☆☆☆

高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

TSUKUMO

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★

部品選: ★★☆☆☆

ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

FRONTIER

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ☆☆☆

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆☆

部品選: ★★☆☆☆

2013年7月に(株)KOUZIROが倒産しヤマダ電機子会社インバースネットが続投。長期保証が消滅。これと言った特徴が無く難点は有れど利点が見当たらない。

サイコム

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★★

部品選: ★★★★★

自作しない中~上級者のPCユーザ向け。初心者にはカスタマイズが難しく動かない構成でも購入できるので注意。パーツへのこだわりや知識が有るなら。

※並びはBTOメーカーの知名度の順。大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

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Windows 7サポート終了は2020年1月14日

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ヒツジ先輩

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BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。