CPUの新旧で性能比較するベンチマーク結果に疑問

2018年11月 9日

PC Wathより良記事3連打。

Core i7の2千番台なSandy Bridgeから最新のCoffee Lake-S Refreshな9千番台まで用意し性能をベンチマークで比較しており、グラフィック性能も掛け合わせたりで貴重な資料になりそう。

私にはそうとも思えず疑問がわいた。

CPU新旧で性能比較ベンチ結果 by.PC Watch

その1、Ryzen 7も含めた第2世代から9世代までのCore i7比較。

Sandy Bridgeから最新第9世代まで新旧CPU・徹底ベンチレポート - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1151575.html

bench_02_o

画像全部パクるわけにも行かないので適当に拝借しております。

上は動画のエンコードと呼ばれる変換処理をした時の時間、なので秒数の少ない、グラフが短い方が優秀という意味であり、新しいCPUの方が処理時間が短いことを表されております。Ryzen大健闘、H.264で優勝。

それは置いておき、同じコア数とスレッド数である4C/8Tの4種類でも差が出ており、なぜなのかは新しい方が高性能、と解釈したいけれど疑わしいので後でケチ付けることにして、次はPCMark 10。

スコアなので棒が長い方が優秀。

bench_03_o

またもやRyzen大健闘と言える理由はコスパで、安かった頃は3.4万円程度の割にインテル製品なら4万円以上の性能。

このベンチマークスコアでも新しい世代のCPUが優秀に見えるので、そう思うならそう思えばよろしいかと。

その2、この検証が面白かった。

新旧CPU・徹底ベンチレポート【追加検証】。RTX 2080 Tiに効くCPUはこれだ! - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1151708.html

bench_01_o

グラボをRTX 2080 Tiに固定したベンチマークは珍しい。

グラボ比較の際にCPU固定は珍しくないけれど、CPU性能を比較する際はグラボがどうでも良くなっているのかグラボ非搭載のパターンが多い。

  • Fire Strike・・・総合
  • Graphics・・・グラフィック性能
  • Physics・・・CPU性能
  • Combined・・・グラボ+CPU

グラボ同じなので全体的にGraphicsのスコアは同じくらい。その他はCPUのスコアが混ざるのでは全てに影響するは当然。

左のフルHDに対して右の4K解像度では、CPU性能がいくら変わろうとも全体的に影響しないところも興味深い。解像度が高くなるほどこの傾向があるグラフは過去何度か見た。

ラスト、その3はマルチコアについて。

こんなところに増えたコアが効く ~【2018年度版】マルチコアCPUはこう使え! - PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1152132.html

Blender_o

CPUが新しい場合、エンコードとレンダリング速度が上がるという、上はレンダリングの方の比較グラフ。

もう1つ、ゲームにも有利と言われている画像は見る価値が薄いと思われ、文字の方がわかりやすかったので引用。

画質“最高”。最高設定ではGPU側の負荷が大きいためCPU占有率は低めになる。(中略)

中設定ではGPUの負荷が下がってフレームレートが上がるが、その分CPUも次々にデータを捌く必要が出てくるため、ここではCPU占有率は上昇した

簡単に言うと、高画質ならCPU性能はあまり使わない、中程度にするとCPU使用率が上がる。この点はFire Strike(フルHD)とUltra(4K)のグラフがそういう意味ですな。

スコアとしてCPU単体の性能差は出たけれど、実際には使われていないので無意味に近くなりFire StrikeやCombinedのスコアには影響しなかった、と。

 

単にクロック最大値の違いでは? by.ヒツジ先輩

CPUの世代の違いで差がありますハイそうですか、とは行かないのがコア数不信でクロック信者な私であり、PC Watchではなぜか触れられていないクロックをグラフ化してみたものがこちら。

0-5GHzのグラフ

わかりにくいので下限を3.0GHzにしたものがこちら。

3-5GHzのグラフ

赤はターボブースト時のクロックで、ここまでに出たグラフと形が似ておりましょう。PC Watchでは世代別でこんなに性能が違う的な表現をしているけれど、私に言わせると世代とか関係なく単にクロック違うだけでは?になる。 

ここからは憶測で、PC WatchのCPU在庫を知らないので何とも言えないけれど、違和感があったのが4千と2千番台。水色とオレンジが追加分。

3-5GHzのグラフ

百の位を700番台としてi7-4770Kという意味なのか、しかし4790も700番台な上にオーバークロックしない前提なのでKの有無は関係ない。

もっとわからないのがi7-2700Kではなく2600Kであり、クロックとコア数が丸かぶりな4C/8T、3.5-3.9GHzの4770Kと同じ結果になると都合が悪い、と邪推されても仕方ないと思う。

仮に4790があったなら2700Kを使用したのか、4770Kしかなかったので2700Kを使えなかったのか、同じ700番台にも関わらず、とは考え過ぎだろうか。もっと言えば、なぜ3770Kが無いのか、やはり4C/8T、3.5-3.9GHzだからなのかと疑う。

世代で性能が大きく変わるというならば、クロックを全部3GHzくらいに固定するとか、Sandy Bridgeをオーバークロックした状態で新しい世代とクロック合わせて比較するとかやってほしい。

 

結論:レンダリングとエンコードは高性能CPU必要

当たり前の話で、レンダリングやエンコードなどの高性能状態が長時間必要となるCPUの使い方ならば、コア数が多くクロックの高いCPUが有利になるとは昔ながら。

しかしゲームの場合は微妙で、まだマルチコアを要するゲームが少なすぎる上、高解像度ではCPU性能が無意味になるほど平坦なベンチマーク結果はいただけない。

新世代=コアとスレッド多い、これが新旧で大きく差があるなら新世代の方が良いと言えるものの、単に新世代=クロックの最大値が高いならばオーバークロックは遊びではなく実用的になってしまう。

しかし現代的にはオーバークロックは遊びや余興、マニアがベンチスコアを求めるくらいで実用的とは言えない手法と言えるため、ゲーマーもデザイナも職人もオーバークロックに興味ないし実際やらない。

イコール、スコアでは大げさに数値の違いが出るとしても、実際には最大3.9GHzも4.4GHzもそう変わらないと言えましょう。だいたい処理性能1割程度の差がわかる人類は居ないはず。

また、クロックのグラフが各種ベンチマークのグラフと似ている通り、本当にコア数やスレッド関係あるのか?とも疑えた。

というわけで、PC Watchの良記事は認めるけれど、「Sandy Bridgeから最新第9世代まで新旧CPU・徹底ベンチレポート」はあまり徹底されていないと思った。

コア数やクロックなど数値に見える性能差ではなく、製造プロセスの違いなど見えにくい部分での世代差を知りたかったのでやや残念。

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リンク用ソース

コメント(2)

>CPUクロック
IPCと言うのが有って、1クロック当たりの処理量が問題となります。
AMD前世代のFX(8C/8T)はi7(4C/8T)より多コアであったのに性能がダメダメだったのは周知の事実。
インテル様にしてもP4からC2Dに変わって、低クロック化したのに逆に性能が向上したのも事実ですよね。
アーキテクチャが変わるとクロックだけで比較するのは無意味だと思いますよ。
それに世代が変わってプロセスルールが細分化すると同一ダイ面積だとトランジスタ数が増えますから、同一クロックなら当然処理能力が上がります。
>i7-2700Kではなく2600K
クロックが100MHzしか違いませんし、2000番台終焉間近に2700が出たような記憶があるので手持ちが無かったんじゃ無いでしょうか。
100MHz程度の周波数差に、殆ど意味は無いですしね。
>グラボをRTX 2080 Tiに固定
現時点では最強と思われるグラボを使用する事により、GPU側でのボトルネックを無くしてCPU(プラットフォーム込みで)の比較を行った面白いデータだと思います。

>動画のエンコード
とりあえずSandyBridgeは動画変換に向いていないこと、QSVを有効にすれば中位のCPUでも最上位CPUに比肩するスピードが出そうなことは分かりました。

>RTX 2080 Tiに効くCPU
要はCPUがボトルネックにならないか、という検証っぽいですが、廃人ゲーマーくらいしか興味が無さそう。そして廃人ゲーマーはこんな記事を読まなくとも最上位CPU&GPUで固めていそう。

GPU性能に比重を置いたゲームですと、新世代のCPUへグレードアップしても恩恵が無い場合もありか。

>Sandy Bridgeをオーバークロック
2600Kを5.0GHzまでOCですか。空冷でも電圧を盛れば5.0GHzで安定動作しそうですけれど、その辺「無理してOCせずともデフォルトで高クロック動作可能」と「詰めれば更に高クロックを目指せる」は新CPUの利点では。少なくともデフォルトの2600Kは9900Kより低性能な訳ですし。

新しい車の方が燃費が良い→古い車にも新しい車と同じ省エネ機能を載せれば燃費は同じ

と言っているように聞こえます。高クロックで動くようになる、も十分に進化でしょう。

>製造プロセスの違いなど見えにくい部分での世代差
筆頭ですとAVXですかね。2.0対応だと特に動画変換がけっこう速くなるもの。SandyBridgeは非対応。Haswellから対応。動画変換スピードで、2600Kと4770Kにクロック以上の大きな差が出ていたのは恐らくそれが要因。

iSUS |AVX 命令を使用してビデオ処理ソフトウェアの計算パフォーマンスを向上する
https://www.isus.jp/specials/improve-video-using-avx/

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