PC事業不調は国内大手でBTOメーカーは好調(2018年)

2018年3月30日

全世界でパソコン売れない病発症中。

国内でもNECに続き富士通がレノボ化してしまい、東芝はそれどころでは無さそうであり、残る日本大手はパナソニックとVAIOくらい。そこでBTOメーカー含め国内企業限定で売上規模を比較。

そしてMCJから見るBTO好調の推移。

国内メーカーのパソコンの年間売上(推定含む)

決算公告や売上高掲載による最新の年間売上が以下の通り。

  • マウスコンピューター(2017年3月)・・・326億円
  • パソコン工房(2017年3月)・・・275億円
  • VAIO(2017年5月)・・・189億円
  • サイコム・・・(2017年1月?)・・・18億円

これらは決算報告書や説明資料、会社概要に書かれていた正確な最新の売上高。サイコムは自作代行にしては規模が大きいと思うので入れてみた。

そのサイコムの「?」の意味は、「前期実績」と書かれていた時期が3月26日だったので、前期は2018年1月末ではなく2017年と予想。1月決算ならば申告は3月までなので2017年を指している可能性大として。

次は推定や古い情報も含まれるので、今どうなのかではございません。

  • ドスパラ(2017年7月)・・・351億円 ※PC事業以外含む
  • パナソニックPC事業(2017年度)・・・1000億円級 ※見込と推測
  • フロンティア(2013年2月)・・・43億円 ※KOUZIRO解散前
  • エプソンダイレクト(2014年)・・・144~231億円 ※後者はXP祭り

ドスパラはサードウェーブ全体なのでPC事業が何割か不明。仮に2/3くらいとするなら230億円くらい、2/3の根拠は無い。細かく言えば、パソコン工房の275億円もユニットコム全体なので数十億円クラスの差はありそう。

パナソニックは2017年度40万台行く見込で過去最高とニッケーの記事で言っていたので、レッツノートの平均単価を25万円とすると1千億円。

2018年1月25日、(中略)レッツノートの提供は21年目に突入するが、2017年度の販売台数は過去最高の40万台になる見込み

source:http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/news/17/012503020/

パナソニックのPC事業は、コネクティッドソリューションズ社のモバイルソリューションズ事業部の中に含まれており、事業部全体の売上が2千億円台、2015年にレッツノートとタフブックで過去最大の1200億円を目指すと言って盛大に失敗していたので1千億円でだいたい合っているはず。

フロンティアは2013年7月にヤマダ電機子会社のインバースネットに吸収されて解散となり、最後の売上高をWikipediaより引いて来ただけ。業績悪化が原因だろうから今は43億も無いと推測。

エプダイの売上は、ここに参考になる数値があった。

パソコン・周辺機器販売のエプソンダイレクト (株)(松本市)。2014 年4月にサポートが終了した「WindowsXP」の切り替え需要などにより販売 が伸び、前期比 60.3%増を記録している。

source:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s150303_30.pdf

伸び率トップで売上231億円。法人のXP終了祭りが効いた一時的なものとするならば6割を逆算すると前年度は144億円くらいなので、今は144億前後と考えるが妥当でしょう。

今回はDELLやHPは外資系なのでスルー、というか、この2社は国内企業として単体で決算公開していないと思うので不明。

 

MCJから見るBTO PC事業が好調といえる推移

MCJ(東証二部:6670)は、マウスコンピューターと株式会社ユニットコム(パソコン工房)などを内包しており、連結決算なので内訳が判らないと思いきやそうでも無かった。

mcj-ir-2017-03

決算説明資料|株主・投資家情報|株式会社MCJ

四半期決算では内訳が書かれていないけれど、例として赤枠の通期決算ならば何の事業で売上がどのくらいなど書かれております。

2017年度通期の資料より、マウスとユニットコム。12と14ページ。

mouse-unitcom-12-14 

MCJ全体でのPC販売事業は売上高600億円級。

ところが前の方のページでパソコン関連事業としての売上⾼は1,053億円(前年同期⽐5.8%増)とあるのでiiyamaモニタそこまで売れているのか?と思えば、マウスコンピューター以上に売上デカいのはTECWIND。

全部を売上順に並べてみましょうか。

  1. TECWIND・・・334億円 ※PC関連周辺機器
  2. マウスコンピューター・・・326億円
  3. ユニットコム・・・275億円
  4. iiyama・・・226億円 ※PCモニタなど
  5. aprecio・・・34億円 ※ネカフェ複合店

こうして見るとTECWINDがMCJの要のように感じるものの、マウスやユニットコムがTECWINDから仕入れているだろうからこうなっているのかと。

iiyamaモニタもマウスとパソコン工房で扱っており、aprecioはマウスのゲーミングPCを置いていたりするため、一概にどの事業がデカいとは言い切れない。

規模が判ったところで売上推移。棒グラフを見ましょう。

mcj-2014-2017-sales

2014年4月から3ヶ月毎の推移で、2015年1QのXP終了祭り終了とその1つ前がやたらと飛び抜けているだけで、他はQ1~4にかけて右肩上がり、それが年度が進むと全体的に底上げされていく印象。

祭りの影響で推移が良く判らないので2013年4月からの年単位。

mouse-koubou-all-2013-2017

全体で見ると、祭り期間にあたる2014年6月頃から2015年5月辺りまでの売上は伸びやすいはずなので2014年度は納得。ところが反動が出るはずの2015年は大して減らず、2016年も反動があったとしても2013年より上。更に2017年も上。

世界や国内大手が撤退や縮小、前年比マイナスしまくり2017年度も前年並と言われているものがMCJは伸ばしております。本来ならば、2013年より下にならねばおかしい割にマウスは伸び、パソコン工房も2013年と比較し大きく下げていない。

JEITA統計を毎月グラフにしているのでそれに当てはめると、出荷金額は2013年の7割くらいまで低下するはずが、2017年のマウスは逆に161%(1.6倍)、パソコン工房は92%(-8%)にしかなっておりません。

円安により全体的にPC単価が上がり売上も高まったとは言えども、それだけが要因とは到底思えないレベル。パソコン不況をネタに大騒ぎしているメディアを尻目状態。

2018年度はまだ最終四半期の3月が終わっておらず、決算公告は5月頃になるはずなので最新の2018年度の第3四半期の資料より。

mcj-ir-2018q3

右の赤枠の一番上。

第3四半期の時点で累計900億円、ならば今期は1200億円行けども自然。みんかぶのアナリスト予想1220億、会社予想1150億円。※2018年3月26日現在

マウスと工房の割合がどのくらいを占めるかは予想つかないけれど、PC関連事業まみれなMCJ全体としては売上がりまくり。

見た目の景気の良さだけではなく、営業/経常利益は3四半期累計の時点で60億円、盛大に税金払うくらいならテレビCMなどで宣伝しまくる販促や海外企業の買収には納得するしかございません。

関係無いけれど、2015年まではマウスの方がパソコン工房より売上高で下だとは思っていなかった。

 

パソコンは業務用とマニア向けへ二分するか?

BTOメーカー視点で楽観的に考えると、NECや東芝などが逃げてくれるならばこれからはBTOメーカーの時代、と言えるのかも知れない。

しかし現実的にはこうだと思う。

  • NECなどのPC購入していた人・・・スマホがあれば足りるようになった
  • 自作やBTOで購入している人・・・スマホは艦載機、艦隊は依然必要

艦隊とは複数のパソコンを指しております。

NECや富士通が事実上の撤退だとしても、LavieやFMVはレノボが作ってくれるのだから以前と変わらない。但し法人向けは中身がレノボならば警戒される可能性もあり、今後どうなるかは分からない。

となるとどうなりそうかは、法人はDELL、HP、エプダイへと流れる可能性が高まり、個人向けの店頭販売が厳しくなるようなら力を付けつつあるマウスが第三の国内大手になる可能性。

第1はNEC(PC-98時代)、第2はNEC含むその他国内。

三国志知らない人には全く分からない置き換えをすると、マウスが魏で工房が蜀でドスパラ呉と思っていたら、マウスと工房が普となりいずれ呉を買収して統一するかも知れないと思った。それでドスパラは上場しないのか、とも。

マウスは店頭販売にも力を入れ始めそう(2018年2月の記事)なので、マジで株買うと良いかも知れない。私は博打しないのでやらないけれど、株主優待の1,000株以上ホルダーは1万円相当の商品くれるらしい。

yutai_im01

これ見て1,000株買ったという人を掲示板で見たけれど、今の約1,300円x1,000株は130万円。1,290円でチャラになるのでガチホするのだろうか。

3大BTOメーカーはMM総研シェア1%以上の可能性

MM総研の暦年通年による出荷台数2017年、右。

mmri-2017-pc-shp

source:2017年度上期国内パソコン出荷概況 | 株式会社MM総研

パナソニックが3.2%にご注目。

和式2017年度がパナソニックPC40万台、単価25万円とすると1千億円。この計算が仮に合っているとすると、時期が3ヶ月ずれるながらだいたい数値が合う。

  • 出荷台数 1,025 万3,000 台 前年比 1.7%増
  • 出荷金額 9,061 億円 前年比 4.0%増

40万台/1025万台は3.9%。ちなみに金額1千億円/9061億円はシェア11%。

となるとその他の7%台が妙。量産系BTOパソコンは単価10万円行かないとし10万円とすると、300億円規模売り上げるドスパラ、マウス、パソコン工房は各30万台なので計90万台ならば3ブランド合計8.8%になってしまい「その他」に収まらない。

ちなみに3ブランドの金額合計900億円が9061億円の中に含まれているとするなら約10%になるのは見れば判る。

ASUSがグラフにギリで載っているほどシェアが大きめな理由は、価格コムで頻繁に見かけるVivobook系が売れているのでしょう。単価は3~4万円くらいなので、台数シェアが多いのは解る。

というわけで、MM総研の集計にはマウスとかドスパラ入っていないのでは?となり、JEITAほどではないとしても、「本当に国内PC出荷台数と言えるのか」については疑問。

ありえないがBTO平均単価15万円とし売上300億円なら20万台。パナがシェア3%以上ならばマウスらは1.5%になるのでは。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

コメント(3)

>全世界でパソコン売れない病発症中。
一番の売り時はやはりOSの更新時でしょうね。
MSは、「Windowsは10で終わり」と言っていますが、OSが終わりとは言ってませんよね。(仮称SM-OS)
つまりWindowsでないOSを出してくるのでは無いかと。(仮称SM-OS)
その際、7でサポートしていたハード(CPU,マザー)を切り捨てるんじゃ無いですか。
林檎屋がPowerPCを切り捨てたように。
Ryzenはじめ新世代のCPUが7で(実質)使えなくなったのは、その布石のような気がするんですがね。
この世代以降しかサポートしないと。
そうなれば否応なしにPCの更新が進み、大儲け出来ます。
ソフトの互換性だけ保証すればいいわけで。

>サイコム・・・(2017年1月?)・・・18億円
2015年実績も17.8億でしたから、ずっと18億くらいの売上高はクリアしている、と考えて良さそうですね。売上は増えていませんが、減っていませんから少なくとも失敗している訳では無いことが分かります。ちなみに決算月の1月はいつもセール開催中。お子さんはお年玉をぶっこんで親にPCをねだるとよろしい。

4Gamer.net - サイコム,決算セールでゲームPCが一律1万円引きに。1月31日まで
http://www.4gamer.net/games/148/G014821/20180117099/

>というか、この2社は国内企業として単体で決算公開していないと思う
HPに関しては日本HPで帝国デーバンクにも登録されていますから、調べようと思えば調べられますね。490円で1件。あまり詳しいことは書けませんが、それによると2015年度は三千億、2016年度は二千億くらいですから、2017年度はもう少し落ちていることが予想できます。
※PC事業に限った売上では無し

官報で見つけた 日本HP の決算公告 - noblog Annex
http://nobrona.hateblo.jp/entry/2014/02/11/094244

>ところが反動が出るはずの2015年は大して減らず
全体の需要が下がったため、極端な値下げ(に見えるだけの)戦略や、コラボ企画や無駄なハイエンド志向などおためごかしが効かなくなり、結果的に地味めでも堅実なスタンダード機種を多く擁するマウスが選ばれた、とかでしょうか。

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

マウスコンピューター

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

パソコン工房と同様に機種が多くノートの取扱も有りゲーム用やクリエイター向けPCも有り。送料が比較的高額なので総額注意。知名度は国内トップクラス。

ドスパラ

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ☆☆

部品選: ★★★☆☆

デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆

部品選: ☆☆☆☆

2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

日本HP

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安保証: ★★

部品選: ☆☆☆☆

高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

TSUKUMO

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★

部品選: ★★☆☆☆

ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

FRONTIER

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ☆☆☆

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆☆

部品選: ★★☆☆☆

2013年7月に(株)KOUZIROが倒産しヤマダ電機子会社インバースネットが続投。長期保証が消滅。これと言った特徴が無く難点は有れど利点が見当たらない。

サイコム

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★★

部品選: ★★★★★

自作しない中~上級者のPCユーザ向け。初心者にはカスタマイズが難しく動かない構成でも購入できるので注意。パーツへのこだわりや知識が有るなら。

※並びはBTOメーカーの知名度の順。大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

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