ミニノート(ネットブック)と普通のA4ノートの違いとは?

2009年6月30日

ミニノート(ネットブック)を普通のノートパソコンと勘違いする人が多いようです。これは海外での調査ですが、国内出荷台数の内訳より、日本でも同じ現象が起こっているのではないかと。

多くの消費者がネットブックとノートPCを勘違い? 米NPD調査 -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090623_295768.html

「ネットブックのパフォーマンスがもっと良いことを期待していた」と回答した人は65%に上り、「期待より良いパフォーマンスだった」と回答したのは27%


CPUのAtom制限など、MicrosoftがXP(Home Edition)を格下げするためのノートです。パフォーマンスに期待する時点で調査や知識不足、店頭や通販での説明不足が考えられます。用途や目的が何だったのか気になるところ。

購入者の60%で、持ち運べることが購入要因となっていた。しかしながら、購入者の60%は、一度も家から持ち出したことがなかった


私もAcerやASUSのネットブックの価格を見て欲しいとは思いましたが、では実際に購入するかと言われたら要りません。一部のスタバやマック(マクド)などで野外プレイする人間以外には外へ持ち出す理由がありません。自宅や社内ならば相当なスペックのパソコンがあることでしょう。

というわけで、ミニノートと普通のノートの違いを初心者用にまとめました。


大きさと重さ


展示品などを見たり持てば判りますが、普通のノート(B5やA4と呼ばれるもの)は14~17インチです。ミニノートは最近14インチ以下になったようですが、ほとんどは以前のマイクロソフト縛りの通り10.2インチとなっています。

地デジやBlu-Rayの影響か、解像度が高く画面内の狭さはあまり感じませんが、単純に文字や画像は小さくなります。普段から高解像度で操作をしているならば気にならないかも知れませんが、年配の方にはきついサイズには違い有りません。文字やアイコンの表示サイズを大きくすると、操作範囲は狭くなります。

16:9の製品が多くなり、横に長く(縦に狭く)なったことから、以前の16:10のモニタよりはキーボードは広くなりましたが、それでもデスクトップのキーボードに慣れていれば結構タイピングはしづらいものです。私の場合は、ノートのキーボードではタッチタイピング(キーボードを見ずに入力)が得意ではなく、時々見ながら打っています。これは効率が悪い。

小さいことは良いことでは無く、操作や見づらいという不利な点があります。


性能を低くするための制限


先日書いたULCPCとUMPCの違いで、ミニノートはULCPCにあたります。

ULCPCは、最初にも書きましたがマイクロソフトがXPを~なので、基本的に性能に制限が有り、その範囲内のロースペック(性能の低さ)でなければ、ミニノート用の安価なXPのOEMを載せることができません。バレると契約に響くのでしょう。Microsoft様の言いなりノートなのです。

CPUは貧弱なAtomとなっており、これはデスクトップなどで言うところのCeleronクラス。インターネットやメール、オフィスなどの軽めなものや事務用途ならば問題ありませんが、画像の編集やコーデックを使用した映画鑑賞などには無理があります。メモリも1GB(今は2GB)が上限なので、Vistaを入れようにも何ともならず。しかしWindows7ならば行けるかも知れません。

性能は、Celeronレベルであり、それ以上のミニノートは無いということ。
普通のノートPCならば、Core2は当たり前に有り、上を目指せます。


光学ドライブの有無


初心者の勘違いとしてこれが大きいのではないでしょうか。

見れば判りますし、店員の説明や通販ならば仕様から判りますが、見落としや説明不足で知らずに買うと中級者への道を歩むことになるでしょう。光学ドライブが無ければ、アプリケーションのインストールが普通はできないということ。

このブログへコメント戴いているマニアックな皆さんならば大丈夫ですが、ネットワーク接続でインストールを試みたり、簡単な方法としてはDVDやCDをイメージとして吸い取り、ミニノートでマウントしてというバーチャル光学ドライブを作ることになります。インストール時のみ外付け光学ドライブという手もありますが、需要が少ないためか中々の高額ドライブでもあります。

ミニノートにオフィスのプリインストールがある理由はこれです。
他のアプリケーションを入れるならば、それなりの知識が必要。


リカバリ方法の違い


光学ドライブが無い、ということはハードディスクにリカバリ用の領域が作られており、そこからのリカバリ(Windowsの再インストール)となります。ハードディスクが正常ならば正常に動作しますが、HDD不良の場合は修理に出すしか無くなります。

HDD不良の時点で普通は修理ではありますが、リカバリ領域が何らかの理由で壊れたり吹き飛んだり、解放されてしまった場合も漏れなく修理です。また、HDDリカバリは専門の業者がマイクロソフトのライセンス認証を受けて構築するため、有る程度大手のメーカー(BTO含む)でなければ作ることができません。生産台数が多くなければ元が取れず商売にならないのです。

光学ドライブが無いため、メディアからのリカバリ(再インストール)は無し。ということは、ドライバの単体も同梱されていないはずです。Windowsのクリーンインストールでは無く、イメージを丸ごと戻してドライバも当ててしまう方法なので、ベアボーンの製造元や後付のパーツ用ドライバを自分で探さなければ他のOSでは使いものにならない可能性が有る、ということ。

Windows7を入れたとしても、ドライバはどうするのかという問題が出ます。
光学ドライブは非搭載なので、ドライバCDが付属することも無いでしょう。


改造や増設、修理納期の不利さ


ノートパソコンはベアボーンという単位で仕入れ、外からフタを開けてパーツを増設したりカスタマイズ、BTOに対応していたりです。ベアボーンはノートPC丸ごとを言うのですが、ミニノートの場合は基本的にCPU、メモリ、HDD、時には無線LANまで内蔵となっており標準仕様であること。オンボードという仕組みで、マザーボードに直接取り付けてあり交換不可。販売メーカーも分解できず(そういう契約で)台湾や中国に送って修理という流れになります。

これがどう不利なのかは、ハードディスクが故障していなくとも丸ごと交換となるため、データが毎回消えることになるのです。ベア交換=全部交換に近いためで、メーカーでベアボーンを在庫していても交換する「丸ごと」は同じです。販売終了し、販売メーカーの在庫が無ければ台湾などで直接修理になることも考えられ、納期に6週間以上はザラになるでしょう。

改造や増設は無理と考え、修理費用は高額になるため使い捨て。
マザーボード(メインの基板)や液晶が故障すれば購入額を超えます。


主にはこんな感じでしょうか。

ミニノートは、性能が低く改造や増設が困難、ドライバも単体では無くリカバリ、用途はCeleronクラスのグラフィックやCPU負荷の少ないものに限られる、ということです。

安いから、かわいいから、おしゃれだから、などの理由で購入するには高額なアクセサリです。移動時や外出先から無線接続できる環境での用途が有り頻度が高いならば買いでしょう。そうで無ければ普通のノート、ではなく普通にデスクトップがお勧めです。

消費電力は低いので、バッテリーの保ちが長い理由でもあります。
家でバッテリー駆動する場面など無いでしょう。

PCの国内出荷金額は3割減、ただしモバイルノート型は好調:ニュース - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20395589,00.htm

出荷台数は前年同月比17.9%減の54万9000台 デスクトップは29.6%減の15万5000台 ノート型は12.2%減の39万4000台 モバイルノート型だけでは2.1%増の10万3000台と伸び ノート型が全体に占める比率は71.8%


勘違いして購入している人が多いように思えます。

最初の米調査では「もっと説明しなければ」と書いてありましたが、調べない消費者も悪いのです。家電量販店の店員でパソコンに詳しい人は少ないですが、それでもAtomや光学ドライブが無いという説明程度はできるはず。

ネットブックに限らず、同じULCPCというカテゴリのネットトップにもご注意を。

※国内出荷台数はJEITA調べのこちら(2008年はこちら)に載っています。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

コメント(2)

非公開コメントになっていますが、お間違いでしょうか。
有益な情報なので公開でも良いかと思います。
(本当に非公開がご所望ならばこのままで)

>簡単な方法としてはDVDやCDをイメージとして吸い取り、ミニノートでマウントしてというバーチャル光学ドライブを作ることになります。インストール時のみ外付け光学ドライブという手もありますが、需要が少ないためか中々の高額ドライブでもあります。

最近ではソフトをUSBメモリに入れて、販売されているものも結構出てきたりしているみたいなので、それを買ったり、
Vectorや楽天ダウンロードなどソフトのダウンロード販売で買うという比較的簡単な方法もあると思います。


>安いから、かわいいから、おしゃれだから、などの理由で購入するには高額なアクセサリです。

私も初心者の方が容易に手を出すものではないと思いますが、
デスクトップ使いたいけど、仕事の関係で割高なノートを選んでいた人にとっては、
デスクトップとノート(ネットブック)両方持つという選択肢も選べることになったことは、良いと思います。


P.S.
先日、NECからメモリとハードディスクの有償アップグレードの案内がメールで来ました。
価格を興味本位で見てみると、私のPC(DDR512MBメモリの増設)で31,500円というぼったくりみたいな価格でした(笑)。
メーカー修理・アップグレードサービスって本当に高いですね。一方PC屋さんのサービスは安くてありがたいです(^○^)。

NEC PCアップグレードサービス
http://www.necdirect.jp/psp/PA121/DIRECT1K/ENTPND/h/?tab=N1K_Z_SV_UPG


パソコン工房
http://www.pc-koubou.co.jp/shop/contents/support/upgrade.php

九十九
http://www.tsukumo.co.jp/original/ryoukin.html

ドスパラ(会員は工賃半額)
http://www.dospara.co.jp/support/share.php?contents=insuranceindex#to_7

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

マウスコンピューター

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

パソコン工房と同様に機種が多くノートの取扱も有りゲーム用やクリエイター向けPCも有り。送料が比較的高額なので総額注意。知名度は国内トップクラス。

ドスパラ

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ☆☆

部品選: ★★★☆☆

デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆

部品選: ☆☆☆☆

2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

日本HP

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安保証: ★★

部品選: ☆☆☆☆

高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

TSUKUMO

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★

部品選: ★★☆☆☆

ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

FRONTIER

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ☆☆☆

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆☆

部品選: ★★☆☆☆

2013年7月に(株)KOUZIROが倒産しヤマダ電機子会社インバースネットが続投。長期保証が消滅。これと言った特徴が無く難点は有れど利点が見当たらない。

サイコム

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

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部品選: ★★★★★

自作しない中~上級者のPCユーザ向け。初心者にはカスタマイズが難しく動かない構成でも購入できるので注意。パーツへのこだわりや知識が有るなら。

※並びはBTOメーカーの知名度の順。大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

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