CPU冷却用グリスの効果と価格と量の比較(by.ASCII)

2015年7月 8日

サーマルグリスの色々比較。

ASCIIが8種類のグリスで温度を比較しており、かなり良い記事と思うので補足や勝手にまとめ。最近は量産系のBTOパソコンでもグリスのカスタマイズが有る為、PC自作しなくとも無関係ではございません。

ゲストブックにてネタ振り有難う御座います。

元ネタはこちら。

ASCII.jp:シルバーなど半固体状サーマルグリスの性能を比較 (1/3)
http://ascii.jp/elem/000/001/022/1022911/

サーマルグリス各種

CPUクーラーを取付した事が無い人には、これらが何なのか分からなそうなので簡単に言うと、全て半固体の粘度有るグリス。これらの、もちろん中身をCPUの上に載せてクーラーで押し潰し取り付ける事で、CPUからの発熱がクーラー(ヒートシンク)へ伝わり易くなり、冷却効果が上がるという物。

自作ユーザの中でも高性能CPUを搭載したり、オーバークロック遊びをする人達はこだわる所で、こだわらない私でさえ新構成で組む際は、クーラーに最初から付いているグリスは拭き取り塗り直しております。インテル純正グリスは熱伝導がクソ過ぎる為。

 

CPU冷却用グリスの効果と価格と量の比較(by.ASCII)

環境は以下。

  • CPU:AMD A10-6800K(4.1-4.4GHz、4コア、4MB、TDP100W)
  • クーラー:※CPUに付属のリテール
  • マザー:AMD A85X(MSI FM2-A85XA-G65)
  • メモリ:CORSAIR CMD4GX3M2B1600C8 x2

他はどうでも良いと思うので省略。マザーやメモリは、CPUなどの熱の影響がサーモグラフィにより表面温度として出るので一応。

条件は、

  • ファン:3144PPM前後で固定
  • 室温:22度前後
  • 計測:BIOS画面で10分放置後

グリスの種類、型番と中身。

  1. AS-05(シルバー)
  2. GS-01(シリコン)
  3. PA-070(シリコン)
  4. GS-04(シリコン)
  5. AK-450-SS(シルバー)
  6. AS-04A(セラミック)
  7. GC-EXTREME(メタルフリー)
  8. JP-DX1(ナノダイヤモンド)

自作する人でも型番では判らないと思うのでカッコ内をどうぞ。私はかろうじてAS-05(人気のシルバー)、PA-070(愛用品)が判る程度。

ASCIIの記事を読むとグリス個別での特徴は案内されているけれど、比較した場合どうなるかまとめられていないので勝手にまとめ。

各グリスの熱伝導率(W/m・K)

単位の読み方は、ワット毎メートル毎ケルビン。それはどうでも良いので、数値の高い物が高性能なはずという見方でどうぞ。ここからグラフ内の並びはASCIIで紹介順の通り。

熱伝導率の公称値比較

こうして見ると全然違いますな。

例として、最上段の最人気シルバーは性能が高く9.00W/m・K、対して私が愛用している3段目のシリコンは0.55なので、赤い彗星もザクで逃げ出す16.4倍の性能差。意味不明失礼。

最下段のナノダイヤモンドに至ると、その性能なシルバーの1.78倍となっており、シリコンがゴミのように思えてしまうほど。

BIOS上とサーモグラフィでの温度比較

本題、温度差は以下の通り。

温度比較

結構はっきりグリスによる差が出ていると思う。

  • シリコン・・・BIOS上での温度が高く、表面温度は低め
  • 高級品・・・BIOS上での温度が低め、表面温度は高め

高級品の方が外へ熱伝導し易く、マザーボードから見たCPUの温度は低いという、裏付けしたような結果に。

しかし、差はBIOSで最大4度程度。サーモグラフィでは8度近い差が出ているものの、それは高級グリスの方が高いので比較するのはおかしいと思う。

40度前後で4度の差。1割も違うと言えば凄いかも知れないけれど、この程度しか変わらないという。

グリスの実売価格と1グラム辺りの単価比較

コスパはどうなのか、Amazonで見て来た実売価格。

価格とコスパ

高価なのはダイヤモンドと人気のシルバー。私が愛用しているシリコンは安さ重視でまとめ買いしたのでさすがに安い。

1グラム辺りの単価もシリコンは缶コーヒーより安く、1回の塗りに1グラムも使う馬鹿は居ないはず。私なら2グラム有れば10回以上は塗るので1回あたり20円未満。

しかし最上段のシルバーが高価とは言え、同じ量使うならば1回あたり80円弱になると思われ、長期間PC内で熱伝導を手伝ってくれる物と思えば、多少高価でも高性能な方が良いとも思った。

次回ASCIIの熱伝導シートで温度はどうなるか?(予想)

何となく分かる、熱伝導率とは裏腹にシリコンを上回る高温、コスパは最悪になると見ております。

しかし、もしかするとそれは昔の常識で有り、最近の熱伝導シートは使い物になるとか、実はグリス並の性能など意外な結果になったなら、自作PCのハードルが少し下がりそうなので期待。


以上。ASCIIの検証で上手いと思った点は、

  • グリス以外のパーツ構成が全て同じ
  • ファンの回転数を固定
  • 室温を明示

足りないと思った所は、

  • 高負荷にした10分後の温度

Windows上で見る事になるので曖昧と思うかも知れないけれど、グリス別で相対的に比較するなら、同じソフトウェアの数値ならば有りでしょう。

もっと言うと、

  • 高負荷後PCをリセットしBIOSへ行き40度まで低下するまでの時間

ここまでやってくれると、ウォルターさえ感謝の極みとなるパーフェクト。度重なる意味不明失礼。

しかしサーモグラフィ、良いですな。個人では無理が有る事をやってくれる専門サイト、そこにしびれるあこがれる。

 

BTOパソコンでグリスの変更は有りか無しか?(まとめ)

簡単に3択で。

  • CPUがCeleron・・・不要と思う
  • PentiumかCore iシリーズ・・・最大3GHz超えなら有りかも
  • どうしても高性能グリスにしたい・・・気分的なものなのでご自由に

昔の高性能CPUは、低負荷時でさえ70度とか高負荷時は90度を超えるというマジキチ仕様が有ったものの、Core iシリーズ登場以降は大人しくなっており、私のPCのCPU(Core i5相当、3.3-3.7GHz、TDP84W)でさえ室温22度前後ならば、アイドル時40度強、高負荷時76度と結構低め。

「高負荷76度は高いわ」と思ったなら、擬似ファンレスな為。

CPUクーラーのファンレス

真面目にファン付けると50度超えない。グリスは上で書いたシリコン。

話を戻すと、グリスのカスタマイズは1,500~2,000円と結構高め。1回に塗る量でのおおよその価格は前述した通りシルバーでも100円行かないはず。しかし、グリスの塗りは材質以上に薄塗りの技術が必要。

量産されるPCは、CPUクーラーに付着しているグリスのまんま載せて終わりだけれども、グリスを変更すると標準付着のグリスを一度拭き取り塗り直し。これを生産工場のパートや派遣のおばちゃんがやっているとは思えず、自作PC上級者のような職人が塗るはずなので、手間賃と思えばよろしいかと。

グリスで温度が低下するなら静音性にも関連。しかし、掃除しなければ爆音化は必至なので、グリス気にする前にまずクリーニングの習慣を。そして、グリス塗り直しに金を掛けるなら、カスタマイズでクーラーの変更を推奨。

カスタマイズで選択可能な市販品と同じクーラーは、グリスは付着しておりません。後はわかるな。※シリコンの可能性が高くても良いなら、グリス塗り直すよりクーラー交換が得 

もう一つ豆を置いておくと、新品のPCでファンの頂上にIntelのロゴが有ったならインテルの低性能粘土グリスの可能性大。修理するとそのグリスは拭き取り、シリコンを塗り直される、運が良ければシルバー使われるかも知れないので保証期間内にマザーが故障したなら微妙に得。

自作PCに最適なグリスはどれか?(おまけ)

さて、話を更に戻しましょう。私も自作ユーザ、気になったのはこれ。

サーモグラフィでの表面温度

こいつ↑は意味不明なのでスルーし、ナノダイヤモンドの周辺温度が低い、メタルフリーもシリコンなどと比較すると低く見えましょう。

8つのグリスで10分放置という事は、この検証は最低でも80分は要している事になり、左上のシルバーが夕方、右下のナノダイヤは夜になっていたなら室温の低下も考えられるところ。

しかし日本でそこまで影響するほど室温差は無いとするなら、ナノダイヤは周辺の温度を上げないという意味で、他のグリスより素晴らしい性能と言えるのでは無かろうかと。

最近のマザーボードは固体コンデンサばかりなので昔ほど気にしなくて良いとは思うけれど、やはり熱は怖い。

何度も塗り直しするようならナノダイヤはコスパ最悪になるだろうけれども、一発で薄塗りをキメる自信が有るなら、最人気シルバー以外の選択肢としてナノダイヤも良さそうと思った。

私は昔から(インテルの固まる粘土以外なら)グリスにこだわらない、安物シリコンで上等と思っていたけれど、単価を出してみたり表面温度まで見せられると、ダイヤ塗ってみようかという気になっております。

wikipedia-wmk

source:熱伝導率 - Wikipedia

カーボンナノチューブグリスとか出たら別の意味で熱そうですな。

kitaco-kcon

source:Amazon.co.jp: キタコ(KITACO) カーボングリス 5G KCON カー&バイク用品

週間リスキーでやって欲しい。ヒツジ先輩はアップを始めておりません。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

コメント(10)

いつも思うんですけど、この手の実験は、おのおのグリスで1回しかしてないんでしょうか。

1回ならその時の塗り方の出来・不出来が影響する事があると思います。
せめて最低でも10回ぐらいずつテストして最も冷えたデータがそのグリスの性能だと思うんですけどね。

理系としての素朴な疑問でした。

個人的にグリスのテストで、いつも気になる点。

1.グリスの塗り方
2.グリスの慣らし時間
3.グリスの除去方法
4.計測間隔(インターバルの時間)

これ辺り。特に慣らし時間については、メーカのサイトにも「○○時間」と明記されている事があり、性能のテストというなら最高の性能を発揮できるまで慣らし運転はするべき、と思うのですが、そこまで考慮しているテストは聞いた事がなし。確かに慣らし不要を謳うグリスもありますけれどね。

例1:AS-05(シルバーグリス)……最大で200時間
http://www.ainex.jp/products/as-05.htm

例2:AS-04A(セラミックグリス)……最低25時間
http://www.ainex.jp/products/as-04a.htm

例3:LIQUID Pro + CS(液体金属グリス)……おおよそ48時間
https://www.shinwa-sangyo.co.jp/products/thermal-grease/liquid-pro
※今回のテストには未登場


>BIOS上とサーモグラフィでの温度比較
サーモグラフィを使うなら、CPUファンは外した方が良かったですね。「どれだけ冷えるか」はCPUクーラーの性能。グリスの性能は「どれだけCPUからヒートシンクへ熱を伝えているか」ですから。バラック(PCケースに収めず剥き出し)状態なら尚更。

>グリスの実売価格と1グラム辺りの単価比較
私が好きな AS-04A は、性能もコスパもいまいちな模様。

>熱伝導シート
私の知る限り、熱暴走はしない程度の熱伝導性能しか無かったはず。しかも強いテンションを掛けるCPUクーラーだと、シートに跡がついて使い捨てになる仕様。リテールクーラーでも頻繁に付け外しをしないなら跡が付くため、基本的にシートのコスパは格段に悪いですね。塗る手間が省ける利点が最大にして唯一、と私は思っています。

>グリスのカスタマイズは1,500~2,000円と結構高め
基本的に「余ったグリスは本体に同梱してお届け」な仕様だったはずですから(例外もあった気がしますけれど)、塗りの作業費も考えると確かに安めと言える価格設定。

>理系としての素朴な疑問

私も実験計画法による繰り返し(反復)が望ましいと思いますが、ASCII的におそらくそこまで時間とお金をかけられるとは思えず。ここは条件を揃えたところでよしと思うことにしました。

>サーモは無理。
確かに高額でしたw @@ 代わりにこんなのはどうでしょう

非接触式 赤外線放射温度計 レーザーポインタ付 電池寿命提示 電池付き
http://www.amazon.co.jp/dp/B006CQT7YG/

何がしか温度測りたい時に役立つやも…

>10回塗り直しても同じ人が10回なら意味が薄く

同じ人の方が良いと思います。
平均ではなく、最も出来の良いデータを取るわけですから。
それに同じ人=同じような塗り方
になるわけで、各グリース間の相対評価(比較)にはこちらの方が適していると思います。

>無料の記事としては無理が有りそう。
無料で見る事は出来ますが、ライターはこの原稿で金を貰ってるわけです。
以前のSSDの比較サイトや先輩のように趣味やボランティア的な立ち位置ではないので「無料だから」というのはあたらないかと。
逆にプロのライターならその辺をもっと考えろと言う事で。

ふと、「グリスの量とヒートシンクをつけて外したときの様子が分かればどの程度盛ればいいのか分かるんじゃないかな」と思っていたらすでにあった。
http://bto-pc.jp/btopc-com/repair/cpu-thermal-grease-kuma.html

熱伝導シート編来てました

グリスより冷えるのか? 熱伝導シートの性能をチェック! (1/3)
http://ascii.jp/elem/000/001/023/1023911/

エクストリーム(生活雑貨)編へと続くんじゃw

なんというコトでしょう! これでグリスの無い時も安心!(できるかぁw)

キンカンやスティックのりが強い! CPUグリスの代用品を探せ! (1/4)
http://ascii.jp/elem/000/001/024/1024346/

(前コメの時には上記記事存在してました イヒw)

関連記事を見つけてきました

ツクモで人気のCPUグリス、トップはARCTIC COOLINGのMX-4 (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/20150715_711724.html

MX-4/4g
http://www.zaward.co.jp/mx-4.html

ザワード 絶縁タイプ熱伝導グリース 4g入 MX-4/4g
http://www.amazon.co.jp/dp/B004EPYLR0
1,120円 (1gあたり 280円)

熱伝導率 : 8.5W/mkだそうなので、GC-EXTREMEに近い性能なんですかねぇ。自作する人の間で人気なのでバランスのいい製品なんだと思います

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

マウスコンピューター

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

パソコン工房と同様に機種が多くノートの取扱も有りゲーム用やクリエイター向けPCも有り。送料が比較的高額なので総額注意。知名度は国内トップクラス。

ドスパラ

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ☆☆

部品選: ★★★☆☆

デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆

部品選: ☆☆☆☆

2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

日本HP

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安保証: ★★

部品選: ☆☆☆☆

高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

TSUKUMO

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★

部品選: ★★☆☆☆

ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

FRONTIER

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ☆☆☆

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆☆

部品選: ★★☆☆☆

2013年7月に(株)KOUZIROが倒産しヤマダ電機子会社インバースネットが続投。長期保証が消滅。これと言った特徴が無く難点は有れど利点が見当たらない。

サイコム

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★★

部品選: ★★★★★

自作しない中~上級者のPCユーザ向け。初心者にはカスタマイズが難しく動かない構成でも購入できるので注意。パーツへのこだわりや知識が有るなら。

※並びはBTOメーカーの知名度の順。大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

勝手に評価シリーズ

結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

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