CPUクーラーのヒートパイプは劣化する(by.サイズ)

2020年3月17日

衝撃かも知れない事実。

サイズとはメーカーScytheのことで、中の人の内の社長と開発担当者によると、空冷のCPUクーラーに使われているヒートパイプが劣化するという話があり、初眼すぎて眼に鱗が刺さるかと思ったので紹介。

最近からの話ではございません。

ScytheはCPUクーラー専門メーカーではない

サイズはCPUクーラーのメーカーでもあり、PC系国内代理店でもある。

株式会社サイズ | PC自作・冷却機器の専門メーカー
https://www.scythe.co.jp/

scythe-top.jpg

と知ったのは私も初で、いつもCPUクーラーの型番(名前)で検索して個別の製品ページばかり見て来たのでトップページは気にしたことがなかった。

PC自作しない人は聞いたことがないかも知れないけれど、する人はサイズ製品買ったことがない人は居ないのでは?と思うほどCPUクーラーにおいては国内の超有名な人気あるメーカー。

なぜ人気があるかは単純な理由で、よく冷える上にコスパ良く、安物でもそれなりに冷えてしまうので予算的に手が出しやすい。

そういう私も過去にANDY SAMURAI MASTERという大きめなクーラーを使用していた時期も。確か3~4千円で、Intelの純正から交換すると70~90℃が40~60℃くらいになった。

 

CPUクーラーのヒートパイプは劣化する(by.サイズ)

元ネタはこちらで、2013年のインタビュー記事。

10周年を迎えた国内PCパーツメーカーの老舗サイズ - エルミタ
http://www.gdm.or.jp/review/2013/1022/47015

7年前に10周年なので今は17周め。なぜそこまで古い記事を今更取り上げているかは知らなかったためで、2chまとめを見ていると貼られていたのでリンク先を見た流れ。

かなり長いので要点を引用しつつ見出しを付けて参ります。

自作市場は2013年の時点で山を超えていた

実際、LGA775プラットフォームあたりのPCであれば、用途にもよりますが日常的な作業に不満を感じることは少ないはずです。PCの性能が大きく向上したため、常に最新のプラットフォームに移行したり、最新パーツを買い足したりという人が単純に減っている印象です。

2013年はすでにHaswellが出たタイミング、というと7年も前なのかと少々ビビった。Haswellは第4世代Core iシリーズで、一般向けなやつなら4千番台、Core i7-4790Kが人気ありましたな。

引用のLGA775とは、そこからさらにさかのぼり初代Core iシリーズの1つ前にあたるソケットで、CPUのシリーズ名でいうとCore 2とかPentium 4やDなどの世代。

この辺りから性能不足を感じなくなったとは私も時々ここで書く通り、Pentium 4から初代Core i7へ移行しても性能差が体感できないと愚痴ったことがあるほど。

ベンチマークのスコアを見るとそんなわけあるかと突っ込まれそうな差ながら、実際にPentium 4(550)とi7-950、そして現在のXeon E3 1226 v3(Core i5の4千番台相当)の差が体感できず。但し静音性の進化は全然違う。

LGA775時代の私はまだ自作しておらずサイコムPCを購入していた頃。それから初代Core iで初自作し、何だコレ?になった。

サイズは広告費の代わりにサンプル配布

秋葉原のパーツショップを訪れた際にサンプルを確認するじゃないですか。その時に展示してある弊社の製品が、酸化して汚れた状態になっていると、たまらなく嬉しいですね。それだけ多くの人に触ってもらったのだなと。

変態すぎて笑った。

確かにサイズの広告を見た記憶が無く、そのためか大手メーカーな印象が無い。広告費をかけずに秋葉原現地の実店舗にサンプルを置きまくってもらう作戦。

私はマーケティング素人ながら、このターゲティングや宣伝方法は正解と思われ、実際に広告が出ていたとしてもタイミングとして要らない時はCPUクーラーなぞ要らないわけで。

その代わりに実店舗で展示したり、価格コムのCPUクーラーのランキング上位を占領した方が広告代わりになるだろうし利益にもなりそう。

CPUクーラーが製品化されるまで約1年

正直なところ製品によって異なりますが、約1年程度でしょうか。半年で開発から販売までいくことはまずありません。「虎徹」もトータルで約1年はかかっていますね。

想像以上に長い。

1年もかかるならば、開発スタートして完成する頃には、下手すると新しいソケットが爆誕していることもあるでしょう。あったらしい。

ええ、LGA2011への対応には本当に苦労させられました

自作しない人向けに説明すると、例として先ほど出たLGA775とLGA2011では単純にCPUの大きさが変わる。CPUとマザー側の接点が775個か2011個かなので、単純に2倍以上2011の方がデカくなり、大きさが変わると固定するピンの位置が変わる。

とはいえ、それは足の位置が変わるだけなので、ヒートシンクのフィンやパイプの設計には関係なさそう。ただ長すぎて驚いた。

ヒートパイプは寿命があり劣化して行く

ここが本題。

一応気をつけていただきたいのが、ヒートパイプの寿命ですね。もちろんかなり長期間使えるように設計はされていますが、数年経ったら買い替えてほしいです。ヒートパイプの劣化により冷却性能が低下しますから。

空冷が劣化するとは初眼すぎる。

空冷の弱点としては、ホコリや汚れがフィンに溜まり放熱性能が落ちる、ファンが壊れて回らなくなる、この程度と思っていたけれど、製造側からサイズへの保証は普通に短め。

ヒートパイプを専門に製造しているメーカーがありますが、彼らの我々に対する保証は1年~2年程度です。

ところでヒートパイプが劣化するとはどういうことなのか。

着脱時は軍手でもして直接触れなければ普段は誰も触らないのだから物理的に劣化するとは思えないと思いつつ調べた結果、衝撃の事実。

hp425.jpg

source:DOS/V POWER REPORT | Impress Japan

知っていた人には衝撃でも何でもないだろうけれども、空冷と言いつつヒートパイプの中には作動「液」が封入されており、それが循環してヒートシンクで冷やされているそうな。

どこが空冷なのか、それならこれも簡易水冷では。

ラジエーターが無い一体型簡易水冷で、チューブの代わりにヒートパイプでコンパクトになっているだけ。実際、確かツクモの秋葉原店員が簡易水冷は内部が劣化するので注意しろと何かの記事で読んだ、それと似たようなもの。

「なるべくいい性能でなるべく安く」

サイズのイメージって物凄くハイエンドではないですし、ローエンドだけというわけでもない。全てが“そこそこ”

その「そこそこ」が良いのだと思うし、サイズ製品の人気に繋がっていそう。

という理由は自作PCユーザなら何となく「あー」になると思われ、マザーとCPUを新調した際、流用しようと思っていたクーラーや純正クーラーを見て「ついでにCPUクーラーも変えるか高くはないし」になってしまう。

元のクーラーが簡易水冷の複数ファン搭載などで1万円以上するような高級品なら別として、元々が空冷な4千円くらいで、次も4千円くらいの空冷にするならハードルが異様に低くなる。

「5年も経っているのだから、もしかすると同じ価格帯でも性能高くなっているのだろうか?」的な期待を持つなどで。

ロープロファイルが半分くらいを占める

意外な事実。

  • ロープロファイルCPUクーラーの売れ行きに変化はありますか。
  • 右肩上がりで売れています。これは弊社のWebサイトの製品ラインナップをみてもらえばわかると思いますが、今や半分近くがロープロファイルCPUクーラーになっています。

但しこの話は2013年、7年も前。

kakaku-lp-scythe.jpg

source:価格.com - CPUクーラー

現在は在庫アリが4機種、水冷にロープロもクソもないとするなら3機種。

ヒートパイプダイレクトタッチは冷えない

パイプ劣化に次く少し衝撃の事実その2。

ヒートパイプダイレクトタッチ式のCPUクーラーでは、Aに限らず“ヘロヘロ”になってしまう。つまり、中級から上級のオーバークロックにはまったく向いていない方式と言えます。そのため、弊社の主力製品では選択肢としてまずありません。

こういうやつ。

023034.jpg

source:ヒートパイプをCPUにダイレクトで接触させるクーラー | Ark

但しモノによるという話も。

CPUからの熱を効率的にヒートパイプに伝えることができ、性能面で有利となる。ただし、加工精度が高くないと、CPUとの間に隙間が空いてしまい、かえって熱伝導率(熱を伝える効率)が下がってしまうというデメリットがある。

source:DOS/V POWER REPORT | Impress Japan

サイズが採用しないと言うのだからダメということではなく、サイズ価格では実現しないのでやらないとして、安物なダイレクト仕様はやめておけということかと思ったけれど、そうでもないようで、社長も開発担当も(オーバークロックするなら)やめておけと言っております。

80PLUS非対応電源もやめておいた方が良さそう

ラストは電源についても少々、やや衝撃パート3。

80PLUS非対応の激安電源ユニットが増えてきましたね。相変わらず品質の悪さは変わっていません。容量を100W~150Wは詐称しており、謳っている数値は出ません。

私は知っていた部類の話で、80PLUSが策定された当初絶賛していた理由がこれで、設計の段階で中国がウソつくは当然のようなことが80PLUSの設定によりごまかしが利かなくなった。KEIANとは言っていない。※KEIANは商社なので直接製造はしておりません(代理店のような扱い)

消耗や劣化について保証されているわけではないけれど、スタートの段階で劣化というか表記を盛られなくなった、この頃から「電源は重要」があまり通用しなくなった実感がございます。それまでは本当に重要だった。

 

ヒートパイプの劣化より掃除の方が重要

LGA775の頃からCPU性能が需要を超えた感があり、マザーボードの液体コンデンサが個体当たり前となり、電源も80PLUSで当然のような現在、デスクトップPCの寿命そのものが昔より長くなった。

となると困るとか気になるのはヒートパイプの劣化。

自作できるPCユーザならば「数年で取り替えよう」ができるとしても、完成品しか使わない人は5年も過ぎると不安になるやも知れず。

しかしそれはオーバークロック遊びをするようなマニア向けの話で、CPUの温度が80℃超えてしまうようなPC変態向けと思いましょう。

だいたいIntelの純正クーラーならば、ヒートパイプは付いていないので劣化もクソもございません。

そんなことよりクリーニング。

修理入りして来る半数以上、大げさではなく8割くらいのデスクトップはケースを開いた直後にまず掃除。エアコンプレッサーでホコリ吹き飛ばすところから。

というほど完成品PC(この場合はBTOパソコン)の多くは掃除されない。分解になってしまうのでやりたくない気持ちはわかる、しかし寿命や冷却性能以外に静音性にも関わるのだから、空冷クーラーはせめて年に一度、使用頻度が高めなら二度は中身掃除しましょう。

外へ持ち出すのが面倒なら、完成品はだいたいトップフローだろうからファンの羽の隙間から掃除機で吸えばOK。

よく静電気ガーとか言う人居るけれど、私は過去10年以上は掃除機とエアダスター併用しており故障したことはございません。だいたい、まず掃除機で吸わねばタバコのヤニでホコリがくっついているのでエアダスター程度では吹き飛ばない。

というわけで、ケースの開け方は十中八九で正面向かって左側の側板、その奥側にプラスネジ2本か手回しで固定されているので外し、サイドパネルを後方へスライドなどするとくぱぁするのでお試しあれ。

ケース内に1つだけ10cmくらいのファンが見える、その隙間にホコリが詰まる仕様となっております。掃除機でもエアダスターでも併用でも。但し自己責任。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

コメント(4)

>ヒートパイプは寿命があり劣化して行く
>ヒートパイプを専門に製造しているメーカーがありますが、彼らの我々に対する保証は1年~2年程度です。

普通に工業製品としてはそんなもんでしょう。
通常、ヒートパイプの内部は真空となっており、作動液のみが存在します。
作動液自体は液化と気化を繰り返すだけですから、基本的には劣化しないと思われます。
従って作動液を封入した後のパイプ処理部が劣化し、作動液が微少リークするという事では無いでしょうか。
(クラマスのクーラー写真でちょうど矢印となっている部分。この写真では5カ所)

>どこが空冷なのか、それならこれも簡易水冷では。
本田宗一郎いわく、
「水冷も最終的には風を当てて放熱するから空冷」
だそうです。

たまたまですが、面白そうなので。
>https://www.youtube.com/watch?v=wNksvKItX74
まだ前半のみアップされているようです。

ヒートパイプという文字を見ると、どうしてもグフとかザクⅡとかが浮かんでくるのですよね。ガンダムほとんど見たことありませんけれど。

サンライズ Wiki|Fandom|ヒートロッド
https://sunrise.fandom.com/ja/wiki/ヒートロッド

サンライズ Wiki|Fandom|ヒートホーク
https://sunrise.fandom.com/ja/wiki/ヒートホーク

>ヒートパイプが劣化する
永久的に完全密閉はできないでしょうから、いずれ曲げ加工で負担が掛かっている箇所とか、接合部とかにクラックが入って内部の作動液が漏れ出てしまったり、弱くなった箇所が圧力に耐えられなくなって破裂する、とかはありそうですね。30年くらい使わんと壊れない気もしますが。

ヒートパイプの解説は、古い記事ですが面白いですしアスキーの実験記事おすすめ。

ASCII.jp|最強のCPUクーラー自作にチャレンジ!! (2/5)
https://ascii.jp/elem/000/000/328/328097/2/

>CPUクーラーが製品化されるまで約1年
アイデア出しから設計図を描いてGOサインが出て試作品を作って検証して手直しして製品版を作って検証して、で1年ならむしろ短い方なのでは。弊社は新製品を出すまで3年くらい掛かりますし(PCとは違って耐久実験の他に耐候実験もしているせいはありますが)。

>それが循環してヒートシンクで冷やされているそうな。
入っている作動液ってものすごく少ないですがね。水冷(水蒸気冷)という感じ。

>簡易水冷は内部が劣化するので注意しろ
そら本格水冷だってフィッティング(接続部)から水漏れしたり、ポンプが動作不良になったり、チューブの曲げ部にゴミが溜まって水の流れが悪くなったりなど、メンテナンス必須の冷却方法ですからね。簡易とは入れ水冷の名を関する冷却装置がノーメンテナンスで永久使用できる訳なし。

>ロープロファイル
グラボなら規格がありますけれど、CPUクーラーのロープロファイルって高さどれくらいから宣言できるのですかね。薄型とロープロファイルはPCパーツ業界だと言い分けてて別の意味っぽいですし。スリムケースに搭載できるくらい、とかでしょうか。


>加工精度が高くないと、CPUとの間に隙間が空いてしまい
それヒートパイプとはあまり関係ないのでは。加工精度が高くないと、どの箇所であっても熱伝導率は下がるでしょう。

>サイズが採用しないと言うのだからダメということではなく

そういえば最近ヒートパイプダイレクトタッチ式のやつ出しましたね。

TYPE 920S | 株式会社サイズ
https://www.scythe.co.jp/product/cpu-cooler/scy-type-920s/

92mmファン搭載のサイズ製CPUクーラー「TYPE 920S」が発売、税込1,980円 - AKIBA PC Hotline! https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1223935.html

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