勘違いや決め付けによるBTOパソコンの都市伝説

2012年7月 5日

普通の人にはマニアックな印象が有るかも知れないBTOパソコン。

私は以前、とあるBTOメーカーの修理現場で働いており、入った当初はマニアやオタクな印象が有ったけれど、実際に販売している場面を見るとそうでも無し。質問掲示板や2ch(まとめ)で勘違いしている人がいたのでまとめて解説。

都市伝説というより単なる嘘とか勘違い。

どうしてそうなったのか、推測や予想を含めて参ります。

 

購入するにはパソコンの専門知識が必要

これは私がオフライン(対面)でも質問された事が有り、パーツの選択が難しくて先に進めないとか。カスタマイズ画面を経由し、選択肢が有る為にそこで手が止まってしまう御様子。

具体的にOSの選択肢なら、Home Premiumが選択されているが、Professional や Ultimate はどういうものなのか判らず選択出来ない。CPUも性能別に選択が有ったり、メモリやHDD容量の違い、ドライブは追加した方が良いのか、静音パーツなども。

ドスパラやマウスなど私が量産系BTOメーカーとしてPC初心者にもお勧めしているブランドは、基本的に標準構成で価格が付いており、判らないならそのまんまカートへ入れてしまえば大丈夫。

静音ファンや冷却キットなど意味が分かるものは欲しいなら付ける。要らないなら放置。個人的にはカスタマイズ無しの標準構成を推奨。変更する数に比例しコストパフォーマンスが悪くなる為。

分かるなら変える、判らないパーツは変えないでよろしいかと。

量産系の購入は簡単、知識が必要なのは自作代行系

質問掲示板で見た回答で、ある程度の知識が無ければ購入は難しいと書かれていたけれど、それはおそらく自作代行系のショップでは無かろうかと。

本格的に自由なショップでは基本構成が無く0円(パーツ選択無し)からスタート。CPUやメモリを選ぶどころかメーカーから型番まで細分化されていたり、私でも嫌になる程の多さ。本気でそこで買うなら調べるだけで半日は掛かる自信有り。

あれは自分で組立しない(しない)人が数万円高くなっても組立や修理をして欲しい場合に選ぶもので、普通は量産系か自作にしましょう。

価格は、量産系>=自作>自作代行。

 

サポートやマニュアルが無く設置が難しい

私が現場に居た当時、サポートはコールセンターが独立しており通販とは別に有り。また、修理現場にも少数ながらコール担当が常駐しており、見積などの問合せを担当しておりました。普通の企業ならサポートの無いメーカーは無いでしょう。

だいたいBTOメーカーのWindowsはOEMやDSP版なので、サポートはマイクロソフトでは無くPCメーカー。大規模なメーカーほどOEMパーツは増えるのでサポートが無いという状況が有り得ない。

マニュアルは過去に借りたドスパラのガレリアやパソコン工房のレサンセ(ノートデスクトップ)、日本HPのノートは付属しており普通に付いて来るもの。いずれのメーカーも設置や準備は簡易な紙1枚、詳細は冊子や電子マニュアル(PDF形式やアプリケーション)で用意されております。

設置は、電源を接続しデスクトップならモニタとスピーカーなども接続するだけ。マニュアルが分散する上に専門用語満載なネットワーク設定の方が難しいでしょう。

パソコンの設置とはネットワーク設定?

マニュアルやサポートは有り。問題は何を勘違いしているのか。

ネットワーク設定まで含めて「設置」というなら確かにNECや富士通などで用意されている設置サービスは基本的に無し。有っても外部業者への仲介。

しかし一部メーカーを除き、BTOパソコンは基本的にパソコンの買い替えになるはずなので、接続は抜いた線を挿せばよろしいかと。なぜ買い替えになるかは、ほぼ通販の為。

ネットワークでも無線の設定(DNS設定、MACアドレス登録、暗号キーなど)が難しいかも知れず業者に託したいのかも知れないけれど、停電するたびに万単位を支払う事になりかねない為、自分で解らない事はしない方が無難。有線で。

 

ソフトが入っていないのですぐには使えない

ソフトが入っていなければ不満な人はパソコンで何か出来そうと期待している属性で、満載されている試用版や無料ソフトが必要なら、おそらくパソコンは必要無く、飽きて放置になるかと。

本来はもうひとつの方、目的が有りパソコンを購入する人。青色申告をする為、CGでデザインする、デジカメ画像の整理、のように用途が決まっている属性。インターネット(ブラウジング)やメールだけでも立派な目的。

初めから入っているソフトは販売メーカーの都合や利益の為にインストール(バンドル)されているものなので、NEC信者でNEC様へ寄付したいと思うなら使えば良く、目的が有る人は自分で用意したり探すもの。

メーカーのこじつけソフトは昔からろくなものが無い

試用版や機能制限版が入っている理由は製品版への販促で、それを標準インストールする事でPCメーカー側はソフトウェアメーカーから金が貰える仕組。パソコンが有れば何でも出来そうという時代は終わっており、パソコンは有って当然で各個人が何をしたいか。

バンドルソフトは試用版や制限版以外、おせっかい接続ツールが入っていたり、勝手にガジェット化されデスクトップで常時表示されていたり。あれもNECを例にするとビッグローブの宣伝。その広告群が役に立てば良いけれど、大抵の人には余計なもの。

サービスでは無く押し付けなので、それが無ければ困るという人は、新聞を購読してもチラシ目的で新聞をとるようなもの。パソコンは金がもったいないので、板PCとかスマートフォン、テレビやWiiなどのブラウザでも良いかも知れない。

 

品質が悪く故障し易い、修理は自分でする

BTOパソコンの修理は自分でやるなら、私はどこで働いていたのかと。

一般的な家電と同様に保証は標準で1年間。有料オプションで5千円以上支払えばプラス2年の3年保証。中にはDELLやフロンティア、エプソンダイレクトのように5年まで延長も有り。有名メーカーの標準3年は本体価格に込まれていると考えましょう。

品質と故障は直結せず、車に例えると1千万円の高級車と百万円のファミリーカーで先にタイヤがパンクするのはどちらか。または窓が汚れ易いのはどちらかのようなもの。

例として、VAIOもドスパラのデスクトップも中身は台湾や韓国、中国で製造されたパーツ。ケースは中国が多いと思うので、ソニーが作った所ほぼ無く、ケースのデザインや紙マニュアルの内容を創ったくらいのものでしょう。

素人こそ根拠が不明になる「品質が悪い」を連呼

何をもって素人と言うかは別として。

別の例では私が家電製品素人。ハズレを引いたと思った家電はパナソニックの食器洗浄機で、2年程度で錆びるわ止まるわリコールものと判断。品質が悪い、と言いたいものの、使い方や運が悪かったのかも知れず。

価格が高ければ品質が良いというものでも無く、NECやソニーが高額なのは製品以外で金が掛かっており消費者が負担する為。なぜBTOパソコンが安いのか調べるという発想や手間が無く、根拠も無いので否定されず延々と垂れ流されるのでしょう。

本当に品質が悪く、マザーボードやグラボが溶けたり、電源やバッテリーが爆発したり、SSDやHDDでデータが吹き飛ぶ時は、リコールやアップデートが告知されるが普通。

 

海外製品は3年内故障率26%、東芝約16%

これは2chまとめで若干騒がれていた海外の調査のグラフ。

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source:Report: A Third of Laptops Fail Within 3 Years | PCWorld

3年以内のラップトップ(ノート)PCの故障率で、HP(ヒューレット・パッカード)がトップの25.6%。約4台に1台が3年以内に故障する計算。

低い所では東芝やソニーが16%くらいなので、6~7台に1台が3年以内に故障。先にも書いた通り海外での統計。そしてこの統計は属性や分母などが書かれておらず、相対で見るは無理が有る。

強引に日本でも同じ結果になると仮定した場合、個人でHP製品は少なく主に法人向け。東芝やソニーは個人向け、しかもライトユーザが家電量販店で購入するタイプ。

業務用は24時間稼働していたり、扱いが荒い、環境が汚いなど有りましょう。代わりに個人でもライトユーザなら稼働時間が少なく、1日30分とか週2~3回しか電源を入れないなど。

電源を入れなければ、稼働時間が短ければ故障率が下がるというわけでも無いけれど、故障という状態は原因以外に故障箇所も含まれる為、上のグラフでHP悪い、ASUS良いとは言えないでしょう。

IDCやJEITAなどの調査、統計の結果も鵜呑みできない

有名な企業や組織がデータを公開すると、それを根拠とする人が居そうなものの、当ブログの過去記事を遡ると分かるけれど偏ったものが多く鵜呑みは出来ないものばかり。この手の調査は参考程度、頭の片隅に入れておいて損は無いくらいとして。

しかし、ノートが3年以内に15%以上の確率で故障するとなれば、家電製品より率が高い事が判りましょう。2年でも10%くらい以上。保証の延長費用と本体の価格、修理代など含めて検討した方が良さそうですな。

 

BTOパソコンの都市伝説(まとめ)

比較的良く見掛ける内容を5つにしてみたけれど、他にも電源やマザーの型番が判らないメーカーはダメという根拠の無い品質厨も存在。

自作ユーザが電源ユニットの型番を知りたい理由は電流と電圧の内訳が知りたく、マザーボードは端子の種類や数が知りたい為。無改造前提なBTOパソコンに電源の内訳は不要、マザーは仕様書に種類と数が書かれております。

電源やマザーにこだわる人は仕様を指しており、ここで品質を出して来るならスルーした方がよろしい人。

私は安物のASRockとGIGABYTEのマザー、敢えて3千円と4千円の安物電源を付けて毎日2~10時間ほどデスクトップ2種類を使っておりますが、1年半経過した現在も無事に動作中。

その前に旧PCから流用したNECの光学ドライブ(5年物)と、SeagateのHDD(4年くらい物)がぶっ壊れております。故障は運。宝くじに当たるようなもの。

少し調べると分かる事を調べず嘘を書いたり、根拠無く決めつけて駄目だという口コミにはご注意有れ。

今月のオススメBTOパソコン

リンク用ソース

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BTOパソコンメーカー比較

パソコン工房

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

初心者や実用重視のPCユーザー向け。デスクトップ以外にノートも多数有り価格と性能のバランスが良く選びやすい。全国に実店舗が多数有るBTO PCメーカー。

マウスコンピューター

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ★★

部品選: ★★★☆☆

パソコン工房と同様に機種が多くノートの取扱も有りゲーム用やクリエイター向けPCも有り。送料が比較的高額なので総額注意。知名度は国内トップクラス。

ドスパラ

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★★ 安保証: ☆☆

部品選: ★★★☆☆

デスクトップPCならパソコン工房とマウス以外にドスパラも見る価値有り。秋葉原に本拠地を構える昔ながらのBTOパソコンメーカーで知名度はマウス並に高い。

DELL

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆

部品選: ☆☆☆☆

2011年頃から安く無くDELLを選択肢に入れる理由が薄く回線抱き合わせ販売の価格がまぎらわしい。ゲームPCのAlienwareは見た目重視コスパ最悪なので要注意。

日本HP

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★★☆☆ 安保証: ★★

部品選: ☆☆☆☆

高性能ノート以外は見る価値が薄く高額なLenovoという感じ。早々にWindows 7を捨て8に切り替えたので7が必要なら行っても無駄。2012年後半から迷走中。

TSUKUMO

高性能: ★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★

部品選: ★★☆☆☆

ヤマダ電機による買収後はマニアックな感は無くなり家電通販のような普通のパソコン屋に。BTO PCは機種が少なくやや割高。ツクモファンなら選択肢へ。

FRONTIER

高性能: ★★★☆☆ 長保証: ☆☆☆

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ☆☆☆

部品選: ★★☆☆☆

2013年7月に(株)KOUZIROが倒産しヤマダ電機子会社インバースネットが続投。長期保証が消滅。これと言った特徴が無く難点は有れど利点が見当たらない。

サイコム

高性能: ★★★★★ 長保証: ★★

コスパ: ★★☆☆☆ 安保証: ★★★

部品選: ★★★★★

自作しない中~上級者のPCユーザ向け。初心者にはカスタマイズが難しく動かない構成でも購入できるので注意。パーツへのこだわりや知識が有るなら。

※並びはBTOメーカーの知名度の順。大小関わらず信用できない要素があるメーカーは未掲載。

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結果として宣伝になっていますが依頼されたわけでは無く、依頼されてもやりません。

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プロフィール

ヒツジ先輩

書いてる人:

BTOパソコンの元修理担当。ハードウェアに超詳しいワケではありませんが、どうしたら故障するのか何となく解るので壊れにくいパソコンを紹介します。